ミュージックビデオ、歌番組、雑誌など、自らが活躍するメディアについて、その時にしているメイクや着ている洋服を、後から詳しくYouTubeにアップできるのは吉田の強みだ。「好きな女優さんやモデルさんが着られているお洋服やメイクを詳しく知りたいなと思うことが多い」という自分自身の思いもあり、メディア出演時には、その時の情報をなるべくすぐに公開するよう心がけている。
「努力しないとかわいくなれない」葛藤が動画の契機に
そんな吉田が、オーディションに合格しアイドルとしての道を歩み始めたのが2010年。数年が経った2016年、YouTubeを始めようと思った経緯はどのようなものだったのか。
「アイドルになる前は、近所のおばちゃんに『お人形さんみたいだね』なんて言ってもらえて、町内ではかわいいのかな? なんて思っていたんです。でも、アイドルになってみたら周りの子がかわいすぎて、もっと努力しないとかわいくなれないんだという現実を知りました。人前に立つといろんな声があるじゃないですか。テレビの画面を通すと膨張して見えたり、目が小さく見えたりと、現実は甘くなかったので」
アイドルとしてデビューしたことで直面した壁。それを乗り越えたいという思いから、メイクを本格的に研究し始めた。また、握手会やライブでも自らメイクを行うことが多く、メイクの研究は必須となっていた。一方、吉田はアイドルとしての“立ち位置”をどう作っていくべきかを悩み続けたという。
「アイドルって、どんどん若いメンバーも入ってきて、自分の立ち位置を確立させるのがすごく難しいんです。頑張らないと、耐えないと、他のメンバーに抜かされていってしまうので。自分ができることってなんだろうと考えた時に、最初は何も見つからなくて……もう私はこのまま卒業しちゃうのかな、でも、どうにかして売れたい、もっと上にいきたいと思っていました」
そう考えていた吉田は「自分の好きなこと」であるメイクやコスメに関する写真をInstagramにアップ。すると、女性ファンから「もっと写真をアップしてほしい」「動画を出してほしい」といったコメントが寄せられるようになったのだという。研究を続けてきたメイクのノウハウを明かすことで、アイドルとして活躍する道に光が見えてきた瞬間だった。
「今はパソコンで編集しているんですけど、(当時は)スマホのアプリだけで一生懸命編集して、(動画を)Twitterに出してみたら今まで見たことのないリツイートや『いいね!』がついて、ネットニュースにも取り上げていただいて……こうやって自分で動けば何か変わるのかもと思ったんです」