そう動画の有用性を語る吉田。YouTubeチャンネル開設後、単純換算で約4日に1本というハイペースで動画のアップを続けている。
まず、動画のテーマ選定については「ドラッグストアやバラエティショップに行って実際に試したいと思ったものを買って『面白い動画ができないかな』と考えたり、メイクさんから新しい情報を聞いたり、『とりあえず動画撮らないと』と自分の家の撮影スペースに座って思いついたことをやったり」と「あまりネタが尽きると思ったことはない」という。YouTubeチャンネルで取り上げる美容という分野が「新しいものがどんどん出るし、トレンドも変わっていく」からという面もあるようだ。
彼女のYouTubeチャンネルで特筆すべきは、企画・撮影・編集作業全てを吉田自身が行っている点だ。自宅に撮影部屋を設け、機材やソフトも新たなものを積極的に取り入れている。「自分でやってきたからこそ応援してくださったファンの方もたくさんいるし、自分を客観視することもすごくできたので、本当に(自分で)やってよかったなと思います。プロの力を借りてしまうと親近感も湧かないと思います」という。
メイクの過程での素の表情や、自宅であるからこその家族やペットとの会話などもそのまま公開している。その理由について吉田は次のように語る。
「親近感を大事にしたいなと思っています。アイドルというだけで『もともとかわいいんでしょ』と言ってくださるんですけど、全然そんなこともなく(メイクなど)しっかり作り込んでいるので。そういったところを惜しみなく出していきたいんです」(吉田)
吉田の活動は、テレビやライブだけでは出会えなかった多くのファンを集めているが、一方で新しいビジネスにもつながっている。今では「コラボ動画」と題してコスメブランドや家電メーカーなど、企業とのタイアップ動画も多く展開している。
「(自ら)先に試したり、本当に気になっていた商品だけを選んで、コラボさせていただいています。『これを紹介したいな』と思ってやること、楽しみながらやることを意識しています」
企業や商品ごとに、撮影部屋の背景を変えるなどの工夫もしている。インテリアのデコレーションが得意な吉田の母親が、動画のイメージに合わせたものにしてくれているそうだ。
「現役のアイドルであること」こそがYouTuberとしての強み
メイク術をはじめとした美容というジャンルには、数多くのYouTuberがいる。その中で、吉田は自らの武器を「アイドルであること」と語る。今まで現役のアイドルが、自分のメイク術について語ることはほとんどなかった。だからこそ、ユーザーは知りたいのではないだろうかと考えたのだという。