「当時Twitterは30秒しか動画をあげられなかったので、30秒でできることを考えながらも『もっといい方法ないかな』と思っていた時に、美容系 YouTuberさんの存在を知りました。こんなに面白く楽しくメイクを教えられるなんて、やってみたいなと思いました」

 有名美容系YouTuberにもTwitter経由で教えを請い、動画編集について学んでいった。そして自らのYouTubeチャンネルの開設を決意し2015年末に事務所スタッフに相談、承諾を得たのち、2016年2月に初めてのYouTube動画をアップした。

動画が切り開いた自らのブランド

 動画のアップを重ねるにつれ、ファンとのコミュニケーションにも変化が現れてきた。

「(動画に)あげた内容を真似したメイクの女の子が(握手会やライブに)会いにきてくださったり、『彼氏ができたよ』『可愛くなったねって言われたよ』と言ってくださったりするのが一番嬉しいんです」

 ファンと直接触れ合う握手会で、吉田のもとに訪れるのは約6割、多い時には8割が女性ファンだという。さらに最近では男性向けのメイク動画もアップしているが、男性ファンからも「メイクに関心を持った」という声を聞くという。

 自ら動いてきたことで活動の幅も広がった。2018年からは女性ファンによる支持が評価され、雑誌「Ray」(主婦の友社)のモデルに起用。スタイルブックもすでに2冊出版している。2019年には自らのアパレルブランド「Amiuu wink」や冒頭でも触れたコスメブランド「B IDOL」を立ち上げた。

「B IDOL」で展開しているリップは昨年11月にも3色の新色を加えている。「テクスチャーやネーミングも全てプロデュースしている」「リップがコスメの中で一番好きで、今までいろいろ集めてきてそれぞれの良さがあって、私なりのこだわりもあるので、それを全部詰め込んだ自身満々の一本になっています」と、持ち前の研究熱心さを遺憾無く発揮しているようだ。もちろんその新色発表も、自らのYouTubeチャンネル上で行った。

 “遅咲き”の自分が、誰かの原動力になればうれしい

 アイドルとしての立ち位置に悩んでいたときから、自ら動き、文字通りに可能性の扉をこじ開けてきた吉田は、自身を「アイドルを9年やってきて、ものすごく時間がかかった“遅咲き”」だと振り返る。だからこそ、自らの活躍が人生で悩んだり迷ったりしている人たちの「自分も頑張ろう!」と思える原動力になればと語る。

「ずっと、女子のカリスマになりたいなって思っています。それは遠い存在じゃなくて、親近感のある存在であることが一番大事だと考えています。私が作ったりプロデュースしたりしたもので、みんながかわいくなってくれたらそれが一番嬉しいんです」