たとえば会食の店選びをLINE経由でお願いすると、人数や日時、場所、個室の有無はもちろんのこと、店の雰囲気など定性的な情報までもLINE上でユーザーとすり合わせ、最短で30分で店を予約してくれる。その他にも旅行の手配や調べ物など、オンライン上で調べたり、設定したりすれば解決できることであれば、基本的に対応する。ただし、反社会的なリスクがあるものや弁護士の見解が必要なリサーチなど、法に抵触するリクエストには応じていない。
料金プランはライトで2万4800円、スタンダードで3万9800円、プレミアムで5万9800円(すべて月額定額、税抜)の3種類。スタンダードで月に1回、プレミアムだと無制限で「すごい予約」というサービスがついてくる。これは、予約困難な飲食店の予約や購入困難な人気スニーカーなどの取り置きといった、より難易度の高い依頼に対応するというものだ。
「大の外食好き」が高じてコンシェルジュサービスで起業
サービスを提供するsomewhere代表取締役の甚田翔也氏は、学生時代から複数のスタートアップに関わってきた人物。高校時代はバスケットボールの強化選手としても活躍した甚田氏は、早稲田大学に入学したのちにIT業界での起業を志した。
中でも興味を持ったのはエンジニアとデザイナーだったが、絵心がないから難しいとデザイナーへの道を諦め、エンジニアの道へ進むことを決めた。その当時、連続起業家の家入一真氏(現・CAMPFIRE代表取締役)が立ち上げていたウェブサービスを開発集団「liverty」に参加し、サービスの開発を通じてプログラミングを学んだ。
その縁で、当時livertyのいちサービスとしてスタートしたBASEなど複数のスタートアップで学生インターンを体験し、新卒でマチマチに入社した後、フリーランスのエンジニアとして活躍していていた。自身も起業を考えていたあるとき、プライベートでも親交のあった投資家から「ハイクラス人材の生活をサポートする、コンシェルジュデスクが欲しい」とmendのもととなる事業の提案をされた。
学生時代から大の外食好きだったという甚田氏。一時は給料の8~9割を外食にあて、さまざまな飲食店をめぐっていた。そのため、飲食店選びに困った知人たちからの相談を受けていた。そうした経験もあったことから、mendのオペレーションのイメージができ、違和感なく事業をスタートできたという。当初はFacebookのメッセンジャーを使って、知り合いの経営者の要望を聞く、というアナログなところからサービスを始めた。