マンションの評価額算出方法が大きく変わる

 2024年1月1日以降は、マンションの評価額算出方法が大きく変わり、タワマン節税は終焉を迎えることになりそうです。

 評価額を算出する計算式は大変複雑でややこしいため、この場で触れるのはあえて避けます。ただ、ポイントを絞っていえば、

・マンションそのものの階数に応じて、補正率を乗じて補正する
・評価をする物件が何階にあるのかを勘案する。高い階にあればあるほど評価は高くなる
・築年数が浅いか否かも勘案する。築年数が浅いほうが評価は高くなる

 ということになります。

 評価額が実態に近くなり、節税のうまみは少なくなるのです。具体的には、都心で30階以上にある物件の評価額は、これまでの2~3倍に跳ね上がる計算になります。

 ただし、そうかといって「じゃあ年末までに急いで、所有しているタワマンを子どもに生前贈与だ!」と急ぐのも、それはそれで危険です。ルール改正直前の駆け込み贈与であることが見え見えのため、悪目立ちします。国税に「税金を逃れるためだけにとった行動だ」と指摘されてしまう可能性が高まるのです。

 そのため、すでに「節税のためだけ」に高層のタワマンを購入してしまっている方は、相応の市場価格で売却するか、おとなしく相続税を支払うかのどちらかを選ぶのが無難だといえます。

(本原稿は橘慶太著『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』から一部抜粋・追加加筆したものです)