半年間の自分を振り返り、今後の成長を考える
今回、第2回フォロー研修の学習目標の1つ目は、「経験学習の基本的な考え方を説明できる」だ。研修のために用意された専用のテキストを使いながら、「経験学習」について学ぶワークが始まった。
テキストには、ビジネスパーソンの成長に影響を与える3つの行動が示されており、どの行動が、成長にどの程度の影響を与えるかを考え、そのパーセンテージを書き込んでいく。「周りの人が書いた答えを覗きながら、『なんでそう思ったの?』と、対話してみましょう」と、内山講師が呼びかけ、各グループで意見が交わされた。対話の時間が終わると、「入社半年の経験で影響を受けたと感じる割合(パーセンテージ)は、人によって異なるので、数字は何を入れても、他者と異なっていても、正解です。ただ、今後、社会人経験を積んでいくと、『仕事経験を振り返り……』という行動が大きな影響を占めることになります」と解説した。「FC」の第1巻で学んだ、「経験→内省→教訓(マイセオリー)→適用」を繰り返す「経験学習サイクル」をおさらいしながら、「3つの成長条件」と、その真逆とも言える「3つの壁」について、グループで話し合いが行われた。
対話の時間が多くとられ、その間、内山講師が各グループの机を頻繁に回り、トークに耳を傾けたり、話しかけたりしていたのが私には印象に残った。研修終了後に、内山講師にそのことを尋ねた。
「今回は1グループが基本的に4人。このサイズならコミュニケーション自体は大きく滞ることはないと思っていましたが、それでも、私が、話し手の発言に好意的な関心を示したり、その話の内容を深める質問をしたりすることで、聞き手の見本になる――そう考えて、少しだけ介入しました」(内山講師)
内山講師のフォローもあって、どのグループも対話が途切れることなく、活発な意見交換が続いた。その後、ワークでの学びや気づき・発見を、各自が付箋に書き、机上に貼っていった。自分のグループだけでなく、他のグループ全員の付箋を見る時間も設けられているため、刺激を受けることも多そうだった。書かれた内容は、「自分の仕事をまだ把握できていない」「成長の振り返りができていなかった」といった悩みが目立ったが、内山講師は「『一人前』になるには、よく考えられた練習を重ねたうえで3年から5年かかると言われています。皆さん、それぞれ、具体的な『一人前』をイメージしながら挑戦していきましょう」と前向きな言葉を投げかけた。ここで言う「練習」は、「仕事の仕方」にあてはまり、その一つに、「『フィードバックを求める』ことがあります」と、内山講師は述べた。そして、「人材開発の分野では、よく『フィードバックシーカー』と言われますが、フィードバックを自分から取りにいく人が伸びるのです」と、受講者たちに伝えた。自分一人で実行するだけではなく、上司や先輩に積極的にフィードバックを求めていく姿勢も、新入社員にとっては重要なのだ。