コロナ禍で就職活動を行い、昨年2023年4月にさまざまな企業・団体に就職した新入社員たち――「『フレッシャーズ・コース2023』を活用した自律型新入社員研修」の一環として、入社3カ月後に行われた“新入社員フォロー研修”に続き、昨秋、都内某所で、入社6カ月後の研修が実施された。彼ら彼女らは、それぞれの職場でどう働き、何を学んでいるのか。そして、今回の研修で自分たちの仕事をどう表現したのか――前回同様に、研修会場を訪れた「HRオンライン」が、その様子を詳細にレポートする。(フリーライター 狩野 南、ダイヤモンド社 人材開発編集部、撮影/HRオンライン)
今回のテーマは「モチベーションアップ、離職防止」
企業・団体の新卒入社者向け「『フレッシャーズ・コース2023(*1)』を活用した自律型新入社員研修」の一環であるフォロー研修が、昨秋、都内某所で行われた。第1回フォロー研修が昨夏に実施されており、今回は、その第2回にあたる。前回同様、ひとつの会場で対面して行う「集合型」かつ、複数企業の社員が混合で受講する「公開型」のスタイルだ。
*1 「フレッシャーズ・コース」(ダイヤモンド社)は、全7巻ワンセットの新卒内定者フォロー教材。毎月1巻ずつで計6カ月間の内定者フォローが可能になっている。
このフォロー研修は、研修受講者(新卒1年目社員)たちが内定期間中(2022年10月~2023年3月)に学んだ教材「フレッシャーズ・コース2023」(以下、「FC」)を使用しながら、新入社員として必要なビジネスの基礎知識や働くうえでの意識・心構えを定着させるようにプログラムが組まれている。第1回フォロー研修では、「現場で役立つ汎用スキルの習得」をテーマに、自分の仕事の紹介、ストレスへの対処方法や相手にわかりやすく伝えるための「論理的コミュニケーション」など、実践的なスキルを主に学んだ。第2回の今回のテーマは、「モチベーションアップ、離職防止」で、研修には、「経験から学ぶ力を強化する」というサブタイトルがつけられている。入社から半年を経た新入社員たちがこれまでの経験を振り返り、研修の学びを職場で生かしていくことが目的だ。
研修には、10社30名が参加し、4人ずつの6グループと3人ずつの2グループに分かれた。ほとんどの受講生が前回(第1回)のフォロー研修を受けているが、グループ内のメンバーの組み合わせが前回とは違い、同じ会社の者同士が同じグループにならないように配置されているため、グループ内では全員が初対面となる。自己紹介からのスタートだったが、受講者たちの様子に、私は少し驚いた。入社時や前回研修時の緊張感が見られず、初対面の相手に対しても、落ち着いた様子で、よどみない会話を交わしていたからだ。入社後の半年間で、会議やプレゼン、クライアントとの打ち合わせなどを経験してきたからだろう。とても“社会人らしく”変化したように感じられた。
この日の研修講師は、前回のフォロー研修でも講師を務めた内山厳さん。自己紹介を終えた受講者たちに、「この研修では、相手に関心を持って話を聞くことが大切です。話し手よりも聞き手が頑張りましょう」と、語りかけた。多様な人の話を聞き、対話をすることは、自身を振り返ることにもつながるはずだ。同じ会社の社員同士ではなく、職種の異なる人たちが集まって同じワークをするからこそ得られる学びがあるのだろう。
続いて、1枚のシートが受講者たちに配られた。内定時に人事担当者とのやりとりのために使われた「FC」の付録「コミュニケーション・ペーパー(*2)」内の「入社後にしたいこと、身につけたいこと」が書かれたページのコピーだ。「何を書いたかを思い出しながら、現在の自分はどうなのかを考えてみましょう」と、内山講師が促し、かつて自ら記入したコミュニケーション・ペーパーのコピーを見ながらグループ内で対話がなされた。内定時の思いや考えがしっかり残されているからこそ、現在との比較が可能になり、初心を思い出すことができる。採用担当者と内定者のコミュニケーション促進の役割を持つ「FC」がとても有効的に活用されていると私は感じた。
*2 「フレッシャーズ・コース」は、巻ごとの課題に即した「コミュニケーション・ペーパー」が付録になっている。その「コミュニケーション・ペーパー」のやり取りで、人事担当者(採用担当者)は、内定期間中に内定者と交流が図れる。
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新卒社員の入社3カ月研修レポート(「HRオンライン」2023年9月14日配信)
23卒の新入社員が入社後3カ月の“フォロー研修”で学んだことは…
“配属後の自分自身の変化を振り返る”というワークから始まった研修、はたして、その内容は……。 「『フレッシャーズ・コース2023』を活用した自律型新入社員研修」のフォロー研修(2023年・夏開催)の模様を「HRオンライン」がレポートする。