「辞めジャニ」だけどSMAPとも共演

 この頃の本木について、もう一つ言及しておく。1988年のシブがき隊解散後、布川敏和と薬丸裕英はメリー喜多川が勧める事務所に入るも、本木は拒否し別の事務所に入ったと言われている。

 この移籍でテレビに出られなくなると考えた本木は映画に積極的に出演し、俳優としての地位を固めることになるのだが、司会を務める「ポップジャム」では光GENJI、SMAPとも共演している。“辞めジャニ”との共演NGという働きかけや、テレビ局側の忖度はまだ薄かったのかもしれない。

 本木が「ポップジャム」の司会を務めた1993年、SMAPの木村拓哉は「あすなろ白書」に出演し、現在まで続く“キムタク”人気が始まる。その勢いでSMAPや後輩のTOKIO、V6なども台頭。ジャニーズ事務所は芸能界に隠然たる影響力を持つようになる。その帝国が崩壊するまで、実に30年という長い年月を要したのである。

 2023年の紅白歌合戦には、ジャニーズのタレントはひと組も出ない。実に44年ぶりのことだ。20歳どころか、アラフォー世代も見たことのない紅白が放送される。

 ジャニーズのいない今年の紅白は芸能界のリスタートの象徴ともいえる。はたして紅白が指し示す未来の向きは、東だろうか、西だろうか。