「自分なりのエイズ撲滅キャンペーン」

 曲の間奏に入ると、ズボンの後ろについていたチャックを下げて半ケツ状態になり、さらに巨大なコンドームを風船のように持ち、抱えながらクネクネと踊る。

 最後は抱えた巨大コンドームを頭上で破裂させると、液体がシャワーのように本木に降り注ぎ、それを本木は顔に塗りたくる。書いていても驚くが、これが紅白で起こったのである。

 紅白終了後、本木は取材陣に対し「あれは自分なりのエイズ撲滅キャンペーンです」と意図を説明。コンドームの中身の液体についても「あの中身ですか。精子でーす」と答えたという。さすがエッジな存在だ。

 この時、本木は27歳。せっかくの紅白出場だから若者に向けたメッセージをと、選んだのがエイズ撲滅のメッセージだった。スタッフとともに「コンドーム使いなさい、という表現では照れくさい。ダサくならないようにさらっとするにはどうすればいいか」を考え、たどり着いた先が紅白のパフォーマンスだったという。いや、全然さらっとしてない。

 リハーサルでやれば当然止められるため、NHK側には黙って行われた。年明けの朝日新聞の取材に対し、本木の事務所社長がNHKのスタッフにこっぴどく怒られたと明かしている。