運動したい、でもできない……。そこで本連載は論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指してみてください。

【医者が教える】「ウォーキングをするとひざが痛くなる」って本当ですか?Photo: Adobe Stock

ウォーキングの「メリット」と「デメリット」

 有酸素運動の代表とも言えるウォーキングにはたくさんのメリットがありますが、特筆すべきデメリットがないのも見逃せない「メリット」です。

 この点を軽んじてはなりません。

 なぜなら健康法というのは、継続・習慣化してこそ意味があり、デメリットがないことは大きなメリットであるからです。

有名医学誌が「ひざ痛」と「ウォーキング」の因果関係を否定している

 ウォーキングは「ひざ痛」を心配される方もおられますが「ウォーキングと変形性膝関節症の因果関係は認められない」という調査結果が、世界的に有名な医学雑誌に発表されています(※1)。

 筋トレやランニングと比較して「体力・運動能力」を必要としないのも、ウォーキングの素晴らしいところ。

「ダンスは無理」でも「歩くことが難しい」人は少ないでしょう。

デメリットなく続けられる運動が「ウォーキング」

 メタボに悩む人も、シニア世代も、忙しいビジネスパーソンも、「歩くだけ」なら無理なくできるのではないでしょうか。

 ぜひ安心して歩いてみてください。

 ※本稿は大谷義夫著『1日1万歩を続けなさい』より、一部を抜粋・編集したものです。本書にはウォーキングの効果にまつわるさまざまなエビデンスと、具体的かつ効果的な歩き方が紹介されています。

【参考文献】

※1 Gates LS, et al. Recreational Physical Activity and Risk of Incident Knee Osteoarthritis: An International Meta-Analysis of Individual Participant-Level Data.  Arthritis Rheumatol. 2022 Apr;74(4):612-622. doi: 10.1002/art.42001.