「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は2005年の創業以来18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回、本書を読み解くのは、チャンネル登録者数累計195万人超え!大人気YouTuberのコヤッキー氏だ。コヤッキー氏は仲間を大切にすることで知られ、40人超のスタッフの中には仲間へ健康的な食事をふるまうコックもいる。コヤッキー氏のチャンネルには政治家、実業家、芸能人など社会的成功者やコヤッキー氏よりフォロワー数が多い人も次々に出演している。そんなコヤッキー氏は『スタートアップ芸人』をどう読み解いたのか?(構成・橋本淳司)
『ONE PIECE』の主人公との共通点
よく聞かれるんです。
「コラボしようと思っても、フォロワー数が違ったら立場が釣り合っていないと、断られるんじゃないですか」と。
でも、実際にはそうなっていません。
その秘密が『スタートアップ芸人』に書いてあります。
著者の森武司さんはその秘密は、
「今まで出会った中で一番優秀な人を紹介してもらう」
と言っています。
実際、デロイトの若手エースだった森さんの会社のCOO(最高執行責任者)の中川さんに、「一番優秀な人を紹介して」と頼んで、ずば抜けたIQを持つ銀行マンだった中嶋さんを自社のCFO(最高財務責任者)に迎えるエピソードは胸熱です。
僕も、自分よりすごい人は世の中にたくさんいるけれど、その人も人間である以上、必ず会えると思っています。
象徴的ですが、マンガ『ONE PIECE』には、主人公モンキー・D・ルフィより強い人がたくさん登場します。
従来のマンガだと主人公が最強で読者もそれを望んでいますが、『ONE PIECE』は最新107巻(2023年11月2日発売)でも、ルフィより強い人はたくさんいます。
でも、そういう強い人を仲間に引き入れるのがルフィの強さ。自分自身の強さがルフィの武器ではなく、周りを巻き込んで仲間にしていくことがルフィの強さなんです。
『スタートアップ芸人』の主人公・森さんはそれと同じで、「自分にできないことをできる人」を探しています。
これは多くの人に参考になる方法だと思います。
失敗するコラボと成功するコラボの決定的な差
YouTuberはよくコラボします。
コラボして互いの登録者を伸ばす。
失敗するコラボと成功するコラボの差は何でしょう?
明確な基準があります。
失敗するコラボは相手がよくわからないまま知名度だけでコラボする。
でも、成功するコラボは、自分は持っていて相手は持っていないもの、相手は持っているけど自分に持っていないもののペアを探すこと。
『ONE PIECE』ではサンジが、
「誰にでもできる事とできねェ事がある」
「お前にできねェことはおれがやる。おれにできねェ事をお前がやれ!!!」(巻43)
と言っていますが、YouTuberのコラボでも仕事の仲間でも、それを探すだけなんです、僕は。
会いたい人に会える人と会えない人は何が違うのか?
自分が会いたい人を明確に描くと、意外と繋がります。
自分ができないことを認め、できないことを人にお願いするだけです。
この時に重要なことが『スタートアップ芸人』の中にあります。
それは情熱を持っていることです。
森さんの言葉を借りると、
「ワクワクのタネを埋めてくる」。
ここでいうタネとは相手の人の役割で、
「自分はこれができない。あなたの長所を活かして助けて欲しい」
とお願いすること。
YouTuberは世間ではまだブランド価値が低く、自分は社会的信頼が高いとは言えないわけですが、国会議員の方にも信頼性が増すなら出てもらいます。
僕たちのチャンネルは中高年向けで、若い世代にはリーチできていません。その際には若い世代に人気のあるカジサックさんに出演をお願いし、コラボが実現しました。
オファーの理由を明確にし、情熱を持ってお願いすれば、コラボは意外と難しくはないのです。
できること、できないことを見極めるには?
できること、できないことを見極めるのが大切だと気づいたのは、僕にビジネスを教えてくれた師匠の言葉でした。
イチロー選手が現役で首位打者のタイトルを取っていた頃でしたが師匠は、
「イチローは確かにすごい。年俸何十億も稼ぐ。ただ、俺は野球ではイチローに負けるが、たこ焼きを焼かせたら俺のほうがうまい」
と言ったんです。
「イチローはバットを握るからイチローなんや」と。
その時自分の長所を伸ばしている人のほうが長続きしていると気づきました。
苦手なことを克服するより、それが得意な人に任せたらいい。
その人たちとチームを組んだほうが絶対長続きすると。
それ以来、そういう発想になりました。
YouTuber
「コヤッキースタジオ」、「コヤッキーチャンネル」、「コヤッキーVlog(仮)」を運営。 1983年、静岡生まれ。高校卒業を機に、大阪の専門学校に進学。卒業後はデザイン事務所に勤め、デザイナーとして活動。 その後、勤めた会社で営業成績最下位だったとーやと出会い、コンビを組んでYouTubeを始めることとなる。 現在は登録者数120万人を超える「コヤッキースタジオ」を始めるとする複数のYouTubeチャンネルを運営しながら、音楽活動、飲食店経営など幅広い事業展開を行う一経営者としての顔も持つ。