年収が上がらない、モチベーションが上がらない──そんな悩める人たちに「読むだけで元気になるだけでなくノウハウが確立されている」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。
“元芸人社長”であるFIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。
まさに人生を大逆転させた元芸人社長だが、その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。
本稿では、「仲間力(=仲間をつくる力)」アップによる人生大逆転の法則を見ていきたい。

悔しい 嬉しいPhoto: Adobe Stock

「正社員派遣」とは?

僕らは「正社員派遣」という世の中にはあまりない特徴的な人材派遣事業をやっている。

通常は「登録型派遣」で仕事があるときだけ派遣会社の登録者に仕事を依頼する。
そうすると、仕事がないときは登録者に仕事が回ってこないが、派遣会社は仕事がないときに人件費が発生するリスクがない。

世の中の人材派遣会社の99%以上はこの「登録型派遣」に該当する。
僕らの「正社員派遣」の強みは当然、社員として雇用しているので、仕事がないときでも社員に給料が払われる。

正社員なので僕らは徹底的に教育をしている。
高いモチベーションがあり、勤続率、身だしなみなどは「登録型派遣」より当然レベルは高い。

よってクライアントからの「正社員派遣」ニーズは圧倒的だ。
事業開始以来、クライアントから仕事が止まることはなく、ライバルもいないためブルーオーシャン市場を拡大し続けていた。

ところが、あのコロナ禍に僕らも襲われた。
僕らだけでなく日本中の全業種が襲われた。

毎月、1億2000万円が溶けていく

当時、僕らは1000人の正社員を抱えていたが、人材事業の300人の仕事がなくなってしまったのだ。

僕ら役員陣は慌てた。
300人の仕事がない状態でも、月々の給料は確実に発生するのだ。

社会保険料を入れて仮に一人月額ざっくり40万円とすると、300人で1億2000万円が毎月、消えていく計算だ。

これはさすがにキツイ。
銀行借入や、取引先への仕事依頼など、考えうるありとあらゆる依頼をし続けたが、どこもコロナ禍で状況は同じだ。
300人の雇用などできるはずもない。

一生頭が上がらない恩人

もうだめかと心が折れそうになっていたとき、一人の社長が連絡をくれた。

「こないだ言ってた300人、うちが全部雇ったる」

えっ!?
一瞬なにを言っているのか理解できなかった。
3人でも30人でもなく300人全員!?

頭がパニックになりそうになったが、まぎれもなく300人全員の雇用をしてくれるという電話だった。

その電話をくれた相手は
ホームセンターのコーナン(コーナン商事株式会社)の疋田直太郎社長だ。
全国に500店舗以上を展開する東証プライム上場企業だ。

「以前、300人の雇用を続けるのが難しいと言ってたやろ。
うちのバックヤードを整理をしてもらうから全員、コロナが収まるまでうちが雇ったる」と助けてくれたのだ。

それまで僕らはコーナンさんのWEB販売のお手伝いをさせてもらっていた。
そのお礼に今度はこっちが恩返しをする番だとまさに倍返しどころか、100倍返しの助け舟を出してくれたのだ。

これは本当に一生頭が上がらない出来事だった

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の著者による特別投稿です)