米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。
アニュアルレポートをチェック!
銘柄情報をより深掘りする1つの手は、グローバル企業が投資家向けに出しているアニュアルレポート(年次報告書)などをチェックすることです。
グーグルで「銘柄名(例:グラクソ・スミスクライン)またはティッカーコード(例:GSK)」と「investor relations」でキーワード検索してみてください。
そうすれば、企業が、投資家向けに四半期または年次で作成・公開しているレポートなどを見つけることができます。
ネットの自動翻訳を利用して
海外企業の資料をチェック
日本企業のアニュアルレポートなどの開示資料では、結論が後ろのほうに書かれているケースも多いのですが、グローバル企業では、経営トップからの明確なメッセージとして、最初のほうに結論が簡潔にまとめられているケースが多いです。
最初から3~6ページくらいまでをグーグル翻訳やDeepL翻訳などの自動翻訳ソフトやスマホアプリで日本語に翻訳して読んでみましょう。
日本語で開示資料が読めるグローバル企業も少なくありません。
投資先の財務情報を
チェックしていますか?
アニュアルレポートなどの企業の開示資料では、企業の財務情報まで確認できます。自分の大切なお金を預けるのですから、財務情報まで詳しく確認したほうがいいに決まっています。
そうはいっても、日本株に投資するときにも、有価証券報告書を隅から隅まで読み込み、貸借対照表などの財務諸表まで確認している人は、おそらく少数派でしょう。
投資先はもちろん、自分の勤務先の財務諸表をチェックしている人もめったにいないのではないでしょうか?
細かい財務情報は
見ないと決める?
英語で書かれた情報を読み解くのに苦労するなら、細かい財務情報は見ないと決めるという選択もアリだと思っています。
株式投資では、株価にまだ反映されていない要因を丁寧に拾い上げ、それが反映される時機を見極めて投資することが重要です。
しかし、その銘柄を長年ウォッチしている投資のプロでも、財務情報が株価にどう反映しているか、この先の業績がどうなるかは、わかりにくいものです(これを「認識ギャップ」といいます)。