米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。
投資効率を上げる
オプション取引
ターゲットバイイング戦略
投資効率を上げるオプション取引におけるターゲットバイイング戦略について解説しましょう。
ターゲットバイイングとは、簡単にいうと、自分が「買ってもいいかな?」と思う銘柄で現金収入(オプション料)を稼ぐという戦略です。
ちょっとわかりづらいと思いますので、例を示しましょう。
ターゲットバイイング戦略とは?
現在株価が1株100ドルの銘柄Aがあるとします。これは、あなたが「1株100ドルなら買ってもいいかな」と思っているお気に入りの銘柄です(ここが肝心なところ。買いたいと思わない銘柄では、オプション取引は行いません!)。
通常は指値注文をするところですが、あなたはオプション取引を使い、「2か月以内に、銘柄Aが95ドル以下になったら、95ドルで買い取ります」というオプションを500ドルで売り出して、成立したとします。
このときの「95ドル」という金額を「権利行使価格(ストライクプライス)」、「2か月以内に」という期日を「満期日」と呼びます。
満期日は通常1か月で設定しますが、初心者はそれよりも長めにしたほうが、余裕を持った取引ができるでしょう。
現金をゲット
1回目の取引で、2か月以内に銘柄Aの株価が95ドル以下にならなければ、500ドルの現金がゲットできます。
2回目の取引でも、2か月以内に銘柄Aの株価が95ドル以下にならなければ、再び500ドルの現金がゲットできます。
ここまでで、500ドル+500ドル=1000ドルの現金がゲットできる計算です。
株価が下がったらどうなる?
しかし、株価が下がることだって考えられます。3回目の取引で、2か月以内に銘柄Aの株価が80ドルになったとします。
「95ドル以下になったら、95ドルで買い取る」という約束をしていますから、80ドルの銘柄Aを95ドルで買うことになります。
15ドルの損出が生じますが、ここで考え方を変えてみてください。