オプション取引の
トータルの考え方
銘柄Aは、先述の通り、「100ドルで買ってもいいかな」と思っていた株。そのときに100ドルで買っていたとしたら、差し引き20ドルの損失です。
ですから、オプション取引により、損失を5ドル減らせた計算になるわけです。
さらにオプション料として1500ドルをゲットしていますから、トータルでは損益はプラスになっているのです。
ターゲットバイイング戦略
3つのポイント
なお、オプション料の水準は、銘柄や満期日までの期間によって異なりますし、相場付き(相場の動き方)によっても上下します。
ざっと解説しましたが、ターゲットバイイングの留意点は次の3つです。
ターゲットバイイング戦略の3つのポイント
②その銘柄が購入できるだけの「証拠金」を用意する
③「権利行使価格」「満期日」「オプション料(保険料)」を設定する
「満期日」のポイント
このうち③に関しては、次のように考えてください。
満期日は、25~60日程度で設定します。前述のように、初心者は60日(2か月)に設定しておくと、取引に余裕が持てるでしょう。
ただし、決算報告書の公開日前は、投資家の思惑が錯綜して価格がブレやすくなるので要注意です。
「権利行使価格」のコツ
権利行使価格は、現在の株価から5~15%低い価格に設定します。株価の変動が激しい銘柄では、多少広めに設定するのがコツです。
具体的な設定水準は、その銘柄のオプション取引の状況によって違います。たとえば、どの価格帯の取引量が多いかという視点が大切ですし、満期日までに決算発表などの重要イベントがあるかという視点も価格に反映されます。
カチッと一律の条件を貫くというより、銘柄ごと、株価の推移ごとに、最適な条件は変わると考えたほうが、柔軟な取り組みが可能になります。
「オプション料(保険料)」の設定
オプション料(保険料)は、年率換算で6~12%のリターンになるように設定します。
株価の変動幅が広いのか狭いのか、といった銘柄の特徴や相場付きによって水準が変わるので、自分にとって心地よい水準を見定めていく意識を持つと、徐々に手がけやすくなっていくはずです。
③の設定が終わったら、指値注文を入れればターゲットバイイングは終了です。
※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。