中国の防諜(ぼうちょう)要員たちは10年前、米中央情報局(CIA)のために働いていた中国人工作員のネットワークを一斉検挙した。これにより、米国は中国国内における情報収集能力をほぼ奪われた。米国に情報提供していた20数人ものスパイが死刑になったり、投獄されたりし、その中には中国政府の高官も含まれていた。CIAが最上位の諜報(ちょうほう)対象国である中国で、今もなお人的諜報能力の再構築に苦労していることが、現役あるいは退任した米当局者への取材で明らかになった。彼らの話によれば、そうして生まれた空白のために、米国は、安全保障上の重要課題である台湾問題やその他の状況に関する習近平国家主席と側近らの協議について限定的にしか知ることができないという。