このように日常生活で使って、減った分を足していくローリングストックが、防災備蓄の基本です。「どこで保存すればいいのですか?」とよく聞かれますが、用途に合わせてトイレやキッチン、寝室など分散させておくといいでしょう。

 水や食べ物もローリングストックにおすすめです。手前に賞味期限が近いもの、新しく買った物を奥にしまうようにします。6年間備蓄できる高価な水を防災用に買う方も多いですが、普通の水を買って、ローリングストックしておけばいつも新鮮な水を飲むことができます。

 1人暮らしであれば、必要な水は1日3リットルといわれています。そのうち1リットルは生活用水で、減らそうと思えば減らせますが、2リットルは体に取り入れるべきものです。ですから、2.5リットル×10日分あればいいでしょう。その際、500ミリリットルと1リットル、2リットルに分けて備蓄することが大切です。500ミリリットルは出掛けるとき用。1リットルや2リットルは料理に使いましょう。

ペットボトルのキャップペットボトルのキャップに穴をあけたもの。これをペットボトルにはめれば、シャワー代わりにもなる Photo:Diamond

 防災グッズを揃える際に、「物が増えるのがイヤ」という人もたくさんいます。やみくもに買うのではなく、普段から使いながらローリングストックするだけでなく、2つ、3つの組み合わせで代用できるようにするのがポイントです。

 実際に私が防災グッズを揃える際は、なるべく用途が3つ以上あるものを買うようにしています。ペットシーツ以外でいえば、例えばペットボトル。飲料水としてはもちろん、キャップに穴をあければシャワーになるし、そのままソーラーライトに当てればランタンにもなります。もし賞味期限が切れても、その水で体を拭くこともできます。

 普段からこうして物を使いこなす応用力を鍛え、生きる力を身に付けることが防災には大切なのです。