【災害・防災の勘違い その4】
防災グッズは専用の物を買うべき
──では生き延びるための防災グッズは、どのように買いそろえるといいですか?
「防災=専用の防災グッズを買うこと」と思っている人がたくさんいらっしゃいます。ですが、専用のグッズの購入はほとんど必要ありませんし、やみくもにたくさん買っても使いこなせなければ意味がありません。
私自身は、命綱に関わる部分のグッズにはお金をかけていますが、100円ショップで多くの物を買いそろえています。私がいつも持っている4種の神器を紹介しましょう。それが「万能ナイフ」「ソーラーライト」「コンパス」「防災笛」です。万能ナイフは1600円程度ですが、他はすべて100円ショップで購入した物です。防災笛には紙が入るようになっていて、自分の身元を証明できるものを書いて入れています。
実はホイッスルではなく、防災笛というのが大きなポイントです。普通のホイッスルは鳴らすのに肺活量が必要で、吹くと体力を奪います。一方の防災笛は少量の息でも“気づいてもらいやすい音”がするので、被災時にとても役立ちます。
そのほか、使い捨てでもいいグッズは防災専用の物を買う必要はありません。例えば、水タンクはゴミ袋で代用できますし、着火燃料も何時間も使える防災用のものではなく、100円ショップの商品でも十分です。
そして私がおすすめしたいのは、さまざまな用途がある「ペットシーツ」です。高吸水ポリマーが含まれているので、断水などで長時間トイレに行けないときはおむつの代わりになったり、お湯や水を含ませることで「湯たんぽ」や「冷却シート」「枕」になったりします。
ペットを飼っていない人には最初ハードルが高いかもしれませんが、防災用としてだけでなく、日常生活でも使うといいでしょう。コーヒーなどをこぼしても一気に吸ってくれるので片づけもラクになります。