写真:日本生命の東京本部ビルPhoto:JIJI

日本生命保険が高度人材を中途採用するに当たって「最大5000万円の年収」を提示するという。このニュースを知った筆者の感想は「やめた方がいい」だ。その理由をお伝えしたい。(経済評論家 山崎 元)

年収5000万円での中途採用は
「珍獣のレンタル」と同じ

 日本生命保険が、10月から高度な専門性を持つ人材のキャリア採用を本格化させると報じられている。採用に当たっては、ITや海外事業のM&A(企業や事業の合併・買収)などの専門性を持つ人材に対して、能力などに応じて最大で5000万円ほどの年収を提示するとしている。

 国内の企業が支払う年収として5000万円はまあまあ大きな金額だし、「堅い会社」のイメージがある日本生命の中途採用だという点に意外性があるが、筆者の第一感は「やめた方がいい」である。応募する候補者もやめた方がいいし、日本生命自身も考え直した方がいい。

 今回のニュースで筆者がイメージしたのは、動物園が海外の動物園などから期限付きで借り受ける「珍獣」だ。例えば、客寄せの目玉になるパンダのレンタルである。

 5000万円プレーヤーが着任すると、社内から見物人がやって来るだろう。生命保険会社の人間関係は濃い。誰がその人かくらいのことは社内ですぐに伝わる。

「5000万の人は、どの人? ああ、彼(彼女)か。まあ、お手並み拝見やね」というような会話がなされるだろう。

 こんな環境で働いてうまくいくはずがない。