たとえ肯定的な意見だったとしても、その背後には否定がある、なんてこともあります。
例えば「ドラッグストアって非常に画期的で便利で世の中のためになっていると思うから、ドラッグストアについての研究がしたい」という人がいたとしましょう。その人って、ドラッグストアを肯定してはいるのですが、でも「今って世の中の人たちがドラッグストアの良さに気づいていない」という現状への否定もあるはずです。
「花の研究がしたい」という人は、研究したいと思っているからには知らないことがあるはずです。「花のこの分野の研究が行われていない」と言う否定の考えがあるから研究したいと思っていることもあるでしょう。
だから、「こうしたい」と言う肯定だけではなく、否定のニュアンス、「もっとこうなって欲しい」とか「今はこういうのがないから、こうしたい」を語るようにすると、その人の「やりたいこと」が明確になりやすくなるのです。
文章を書く時も、面接で自分の意見を求められる時も、この「否定」を覚えておくといいでしょう。
実績の羅列には意味がない
一貫性のあるストーリーが重要
まずはみなさんに質問です。こういう人が周りにいたら、どう思いますか?
「私は数学オリンピックで銅賞で、英検準1級を持っていて、ホノルルマラソンで3位になったことがあり、生徒会長をやったことがあります」。
おそらく、「へえ、すごそうじゃん」「でもなんか胡散臭いなぁ」と思ったのではないでしょうか。
なぜそんな風に考えられてしまうかといえば、そこにストーリーがないからです。例えば同じ経歴だったとしても、ストーリーがあれば相手に刺さる場合があります。
例えば、
「自分は人間の数学的な思考の高め方に興味があり、将来は日本の数学教育をもっと高める仕事がしたいです。だからまずは自分自身の数学の素養を高めるために数学オリンピックで銅賞を取りました。また、海外の数学教育の事例を知るために英語の勉強をして英検を取りました。書籍で『数学的思考は適切な運動をしている人間の脳に宿る』という記述があったのでマラソンを始め、ホノルルマラソンで3位になったこともあります。さらに最近は、実際に数学教育を受ける学生たちのことをもっと知るために生徒会長をやりました」
と言われたら、ちょっとその人に対して「おっ、この人はすごそうだ!話を聞いてみたい!」と思うのではないでしょうか。