ゲームの実写映画化を難しくさせる理由
キャラクター設定のプロセスが違う

 ゲームの実写映画化を難しくさせる理由の一つに、キャラクター設定プロセスの違いがある。映画は製作者側のみがキャラクター設定に関わる。一方、ゲームではゲームを楽しむ個々人の視点と操作能力によってキャラクターが個々に再定義される。

 例えば、『ゼルダの伝説』の主人公リンクを見てみよう。リンクの性格は「勇敢」「忠実」とされているが、これだけでは一般的だ。このためゼルダのゲーム開発者は、ゲームプレーヤーの没入感を高めるべく、リンクの人物像を寡黙にすることにこだわってきた。

 また、リンクは男性のように見えるが、開発者は男女両方のプレーヤーから共感を得られるよう、リンクに中性的傾向を持たせたと言われている。

 ゲームでは上記を含む様々な設定によって、ゲーム内の主人公がゲームプレーヤーごとに異なって受容されている。実写映画ではそれが難しく、キャラクター設定やキャスティングの難易度が高い。