ゲームと映画の違い
所要時間と創作思考
一般的に、ゲームではストーリーラインを展開する上で少なくとも十数時間を必要とするが、映画は2~3時間程度の時間しか必要としない。
膨大で複雑なゲームのストーリーやその内容から、映画に適した内容を選び出し、ゲームの本質を表現するのは容易ではない。結果として、ゲームの実写版映画の多くには、論理の混乱やストーリーの複雑さという問題が存在する。
一例として、世界をマインドコントロールしようとする集団の野望を食い止めるゲームである『アサシン クリード』を見てみよう。このゲームの実写映画では、観客に多くの歴史的背景や宗教、派閥の争いを紹介することが試みられた。しかし映画の時間枠では、こうした試みがうまく伝えられなかったようで、ゲームをプレーしていない多くの観客から理解しがたいと指摘されているようだ。
また、ゲームを原作とした映画のほとんどはIP(知的財産)ライセンスモデルであり、ゲーム制作と映画制作では、チームが完全に分かれている。両者の創作思考には大きな違いがあり、それが映画の制作進行や作品に影響を与えることになる。
2016年に公開された映画『ウォークラフト』は制作にまる10年かかったという。同映画の監督はゲーム制作側からの様々な干渉があったことを後に明かしている。なお同映画のRT指数はわずか27%だった。