ゲームの実写映画化はなぜ失敗する?映画会社が気づかない「ビジネスの違いと融合策」映画とゲームの融合は口で言うほど簡単ではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ゲーム原作の映画、
失敗がほとんど

 1990年代以降、コンソールゲーム(ゲームをするために機器を必要とするゲーム)やアーケードゲーム(アミューズメント施設に置かれるゲーム)の多くが、海外で実写映画化された。格闘ゲームの『ストリートファイター』、アクションゲームの『バイオハザード』や『ドゥーム』などがゲームを実写映画したものとして知られる。

 しかし、ニューヨークタイムズなどの報道によると、過去20年間、ゲームを原作とした実写映画は失敗に終わったものがほとんどだ。例えば、2005年の『ドゥーム』は、有名なハリウッド俳優のドウェイン・ジョンソンが出演したにも関わらず、500万ドル以上の損失となった。2016年の『ウォークラフト』も3000~4000万ドルの損失を被った。

 アメリカには、作家協会・映画評論家団体による著名な映画レビューサイト『ロッテントマト(RT: Rotten Tomato)』がある。同サイトにはRT指数が公表されているが、同指数は文字通り「腐ったトマト」指数を意味する。

 RT指数が60%を超える映画は「Fresh(新鮮)」と格付けされる一方、60%未満の映画は「Rotten(腐敗)」と格付けされる。ニュースメディア『The Conversation』によると、ゲームを原作とした実写映画のRT指数は30%未満である。何故ゲームの実写映画化はこんなに難しいのだろうか?