「運転しないからゴールド免許」のペーパードライバーを卒業する人に伝えたい安全運転のコツPhoto:Yusuke Ide/gettyimages

「ゴールド免許」を持っている人の全員が、日ごろから安全運転を実践しているわけではありません。中には、単に「運転をしていない」というだけで、ゴールド免許を交付されている人も多くいます。その制度の是非はさておき、そうした人たちが久しぶりに路上に繰り出した際に経験不足を露呈して事故を起こさないためのコツを前・後編で解説します(本記事は前編、後編はこちらから)。(自動車ジャーナリスト  吉川賢一)

ペーパードライバーはクルマの
「車幅感覚」が身に付いていない!?

 日頃から安全運転を実践しているわけではなく、単に「運転をしていないから」という理由で、いわゆる「ゴールド免許」を取得している人が世の中には一定数存在します。

 三井住友海上火災保険が2023年3月に実施した「ペーパードライバー」(=運転免許証を持っているが、普段は運転しない人)に関する調査によると、ゴールド免許を保有している3人に1人は、ペーパードライバーを自覚しているそうです。

 そのうち約半数は「ペーパードライバーを卒業したいと思う」と回答する一方で、運転しない理由については、男性の約4割、女性の約8割が「運転が怖いから」と回答していました。

「運転しないからゴールド免許」のペーパードライバーを卒業する人に伝えたい安全運転のコツ出典:三井住友海上火災保険
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 もちろん、人によって向き不向きはあると思いますが、「運転が怖い」という心理的要因は、工夫次第で解消できるというのが筆者の考えです。

 その一つは、運転初心者が「怖い」と感じるシチュエーションと回避方法をあらかじめ知っておくこと。要注意ポイントの「傾向と対策」を押さえておけば、「運転してみようかな」という前向きな気持ちになるはずです。

 そこで今回は、久しぶりに運転するときの事前準備や、ペーパードライバーが遭遇しやすい「ヒヤリハット」(事故になりかねない事例)とその対処法を紹介していきます。