多くの場合、運転が怖いという人はクルマの「車幅感覚」が身に付いていないように思います。安全運転の第一歩として、そうした人は「クルマがどれくらい大きいのか」という感覚を養いましょう。

 練習方法は簡単。家族や友人などに協力をお願いし、クルマが停止している状態でクルマの四隅に立ってもらうのです。ドライバーは車内から、どのあたりがクルマの隅なのかを把握します。これをやっておくだけで、車幅に関する恐怖心がだいぶ和らぐはずです。

 その後、運転に慣れている人に同乗してもらい、よく知っている道を走行しましょう。車線変更をするポイントなどアドバイスをもらいながら、そのとおりに運転する練習をして、「いつも歩いている道路」が「運転しても安心できる道路」に変わるまで、体に染み込ませるのです。

 障害物との距離感を知らせてくれるコーナーセンサーや、前方左右の死角をモニターに映してくれる機能など、最新の安全装備が備わっているクルマを選ぶことも恐怖心をやわらげるのに役立つかもしれません。

 ではここからは、実際に気を付けたいポイント(基礎編)を二つご紹介しましょう。

「対向車線が混んでいるとき」の
横断歩道では死角に注意!

 久しぶりにハンドルを握ったドライバーにまず意識してもらいたいのは、道路は「歩行者優先」であること。その原則を守る上で、特に気を付けたい場所は、意外にも「横断歩道」です。

 横断歩道のある場所では、歩行者などがいないことが明らかな場合を除いて、クルマはその手前で停止できるように速度を落として進む必要があります。そして歩行者が横断しようとしている時は、横断歩道の手前で一時停止をする必要があります。

 ですが、対向車線側に立っている歩行者は、意外と車内から見えづらいものです。夜間や雨の日には、さらに「死角の歩行者」に気づきにくくなります。対向車線が渋滞していると、その向こう側で立っている歩行者はなおさら、車列の陰に隠れてしまいます。

 歩行者からも車列などでこちらのクルマが見えていないため、タイミングが重なってしまえば、横断歩道に差し掛かったところで接触してしまうことも。前を走るクルマが速度を落とさずに横断歩道を走り抜けたとしても、自分が横断歩道を通行する際は歩行者がいる可能性もあります。

 そのため、歩行者がいないことが明らかな場合を除いては、「いつでも停止できる速度で進む」。この基本は忘れないようにしたいものです。