白衣の男性写真はイメージです Photo:PIXTA

「医学部受験は難しい」~誰もが思っていることかもしれないが、受験に携わるプロから見てもそれは真実だ。私立大学の入試が始まる1月下旬、ここから私大医学部の1次試験はピークを迎える。本連載では、まさにこれから大学を受験する生徒や、医学部受験を考えている生徒が身近にいる人にとって役立つ、最新の医学部受験事情を紹介していく。第1回となる今回は、有名予備校の化学講師として、これまで東大に約500人、医学部に2000人以上の生徒を合格させてきた犬塚壮志氏が「なぜ医学部に合格するのは難しいのか?」を解説する。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

日本の大学入試で最も難易度が高いのは「医学部受験」

「日本の大学受験で、最も難易度が高いところはどこになるのですか?」

 大学受験に携わる仕事をしていると、他業界、異業種、中高受験の同業種の方々からこのような質問をされることも少なくありません。このような質問に対して、私は迷わず、次のように答えます。

「それは、医学部入試です」

 私は、2001年から大学入試の指導に携わってきましたので、今年で24年目になります。大学生時代のアルバイトでは、数学・英語・理科(生物・化学)を教えていました。予備校に就職してからは化学の担当となり、高校1年生の初学者から、日本で最難関とされる東大理IIIを受験する生徒まで、幅広く指導をしてきました。教え子の中には、化学オリンピックに出場した経験を持つ生徒もいます。

 このような経験をしてきた中で、国内の一般入試で、かつ、理系に絞って言うと、やはり医学部入試が最も難しいと考えています。