個人が電気自動車(EV)を購入せずにリースするのは非常に理にかなっている。だがリースを提供する側(がわ)にとってはそうはいかない。データ会社エドマンズによると、昨年12月に米国のディーラーを通して販売されたEVのうち、59%が購入ではなくリースだった。これはここ3年で最も高い割合だ。重要なのは、この数字には業界最大手で直販方式のテスラが含まれていないことだ。同社のリース率は反対に、昨年10-12月期は納車台数の2%と、少なくともここ4年で最低の水準だった。通常3年契約で車を貸し出すリースは、EVに適している――少なくとも消費者側から見れば。充電スタンドの凍結、不具合の多い新型「シボレー・ブレイザーEV」のソフトウエア、米フォード・モーターの「F-150ライトニング」の減産といった最近の報道はいずれも、新しい技術は購入前に実際に試してみるのが賢明だという気にさせる。リース契約者は、予想外の価値下落という新製品に付きまとう懸念から守られている。また、バイデン米政権がインフレ抑制法に基づき導入した税控除は、リース用EVに対し、要件を満たすための厳しい条件の適用を免除している。