1人暮らしの年配者に
「ペットを飼う」という変化が与える影響
また、誰かと同居している人に比べると、1人暮らしの人の方が、これらの認知機能の低下速度は速かった。1人暮らし、ペットを飼うこと、上述の認知機能の低下速度の交互作用を検討したところ、1人暮らしは、ペットを飼うことと認知機能の低下との関連に影響を与える要因であることが示された。
層別解析では、1人暮らしの人の間では、ペットを飼うことが認知機能のより緩徐な低下と関連していたが、同居人がいる人ではこの関連は認められなかった。
さらなる解析では、ペットを飼っていて同居人もいる人に比べて、ペットを飼っていない1人暮らしの人では認知機能の低下が有意に速かったが、ペットを飼っていないが同居人のいる人と、ペットを飼っている1人暮らしの人では低下速度に有意な差は認められなかった。
Lu氏は、犬や猫などを飼うことは「孤独感の軽減と関連する。孤独感は認知症や認知機能低下の重要なリスク因子だ」と述べている。Lu氏らは、今後の研究で検討する必要があるものの、ペットを飼うという「単純な変化」が、1人暮らしの年配者の認知機能低下を遅らせるための公衆衛生政策の開発において役割を果たす可能性があるとの見方を示している。(HealthDay News 2023年12月27日)
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