ドナルド・トランプ氏が米大統領への返り咲きを目指して始めた3度目の選挙出馬は訴訟問題によって頓挫する――同氏の政敵らが期待したこうした打撃が11月の本選前に現実になる公算は小さくなるばかりだ。トランプ前大統領は23日にニューハンプシャー州で実施された共和党予備選で勝利し、党の候補指名獲得が濃厚になった。同氏の反対派が予想していたような、裁判絡みのもろさは見られない。トランプ氏の弁護団は、同氏の法的問題を先延ばしにすることに成功している。2020年大統領選の敗北を覆そうとする取り組みを巡る2件の訴訟は特に大きな政治的弱点とみられているが、同氏にとって好都合な展開になっている。選挙介入を巡る違法行為の疑いについて法的根拠を問う作戦が奏功しており、連邦最高裁は訴訟範囲を縮小する可能性がある。同時並行で進むジョージア州の裁判の雲行きはさらに怪しく、担当検事が検察官に愛人を起用したとの疑惑が浮上した。