無事に会社を退職し、オーストラリアに行ってみると……
2月上旬、オーストラリアに着いたAは、迎えに来たBとともにBが働く農園を訪ね、オーナーに「働かせてください」と頼んだが、オーナーは済まなそうにこう言った。
「将来の農園の跡継ぎとして、自分のおい一家に仕事を手伝ってもらうことになったからもう人手はいらないんだ。B君も明日でおしまいだよ」
慌てたAはBを非難した。
「君が『一緒に働こう』って言ったから、遠路はるばるやってきたのに!話が違うじゃないか。どうしてくれるんだ!」
「俺に聞くなよ。こっちだってクビでショック受けてるんだから」
二人の様子にオーナーは半分あきれ顔で
「まあ、落ち着け。知り合いの農園に働き口があるか聞いてあげるよ。もしダメだったら自分たちで仕事を探すか日本に帰るんだね」
と言った。
「何でもしますから、ぜひお願いします」
二人はぺコンと頭を下げた。
※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。ご了承ください。