予備選圧勝、「トランプ復活」に現実味
「もしトラ」で米国第一主義再燃
共和党大統領候補者を選ぶ党員集会、予備選挙ではトランプ前大統領が圧倒的な強さを見せている。
1月15日のアイオワ州党員集会では50%を超える支持を集め、2番手につけていたデサンティス・フロリダ州知事を選挙戦からの離脱に追い込んだ。23日のニューハンプシャー州予備選挙でも、2番手のヘイリー元国連大使を得票数で大きく引き離した。
そうした中、金融市場はトランプ前大統領の返り咲きを、強く警戒し始めている。いわゆる「もしトラ(もしトランプが再選されたら――)」の議論だ。
第1期トランプ政権は、自国の利益を最優先する「米国第一主義」を掲げ、世界の安全保障の要となってきた米国の軍事負担軽減のためNATO(北大西洋条約機構)や日本などの同盟国に負担増を求め、ユネスコや地球温暖化対策のパリ協定、TPP(環太平洋連携協定)からの離脱など、既存の国際合意や政策の枠組み変更に動いた。
そして経済政策では、米国の市場や雇用を守るとして打ち出した中国に対する貿易規制や財政赤字拡大、ドル安政策を進めた。
「もしトラ」でとりわけ懸念されるのは、「トランプノミクス2.0」による経済リスクだ。