「出世レースを駆け上がる人かどうかを試そう」
そう語るのは、これまで4000社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『とにかく仕組み化』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに、仕組み化のメリットを説いた。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/種岡 健)

「課長、部長、役員、社長…」出世レースを駆け上がる人かどうかを試す、たった3つの質問Photo: Adobe Stock

 あなたが「課長、部長、役員、社長…」出世レースを駆け上がる人かどうかを試しましょう。
 そのための3つの質問を考えてみてください。

質問1
「どうやったら会社が変わるか」を理解しているか?

「ウチの会社はぜんぜん変わらない」という不満をよく耳にします。
 しかし、その具体的な内容は、あまり考えられていません。

「会社が変わる」というのは、「会社の仕組みが変わる」ということです。
 制度やルールを変更しなければ、具体的には何も変わりません。
 会社の制度が変わり、それにもとづいて、経営層、中間管理職、現場へと目標が降りていきます

 だから、原則的に、経営者しか会社は変えられないと思っておきましょう。
 本来、識学でも、経営者の考えを変えるところから指導をします。

 とはいえ、現場を知る社員や中間管理職からでもアプローチができることはあります。
 それは「上に情報をあげる」ということです。その努力をし続けましょう。

質問2
「組織人」になろうとしているか?

 あなたは、個人の仕事量でしか物事を判断できないのではないでしょうか。
 新しい仕事が増えると、「それはウチではできない」と反射的に考えてしまいます。

 しかし、人の上に立つことで、人の意識は変わります。「組織人」になるのです
 すると、「ウチのチームならできる」「困難にも立ち向かえる」と、組織全体で考えることができます。

 その姿は「社畜」などではありません。
 部署を横断して、「あの人に任せられるかもしれない」という判断ができますし、「1人では手に負えないこともできる」という感覚もおぼえます。
「同じ会社にいる」「同じ集団にいる」ということのメリットは大きいのです。

質問3
「帰属意識」が芽生えているか?

 人を短期的な利益だけで見ると、アウトソーシングや業務委託でいい気がします。
 しかし、それでは「同じ仲間」という意識が芽生えません

 上司部下の関係がなく、「育てる」「育つ」という目的が発生しないのです。
「安く早く正確にやればいい」という、損得の関係しかなければ、「ここで働き続けたい」という感覚に達しません

 長期的に人を見るようにしましょう。
「成長させてくれる」「評価されないといけない」「全員で大きなことを達成する」などのメリットは、同じ会社にいる人たちだからこそ、味わえるものです。

 そうしていくうちに、「帰属意識」が芽生えていきます。
 組織で働く醍醐味を感じられるような人に、ぜひなりましょう

 以上が、3つの質問です。
 組織で働くことの本質を知り、「課長、部長、役員、社長…」と、出世レースを駆け上がる人になってください。

(本稿は、『とにかく仕組み化』より一部を抜粋・編集したものです)