「『あのとき、ああ言えばよかった』という後悔をしていませんか」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
「会話」が苦手な人
大雑把な質問をされるのが苦手な人は多いです。
「どうすればいいと思う?」というような複数の回答例があるような質問を急にされると、「頭が真っ白」になってしまいますよね。
人間の会話では、内容以上に「テンポ」が求められるからです。
「ああ言えばよかった」という悩み
漠然とした質問には、本来であれば、「考える時間」が必要なはずです。
しかし、緊張してしまって会話のテンポが遅れると、頭が真っ白になって何も答えられないことがあるでしょう。
その結果、「あのとき、ああ言えばよかった」「もっと気の利いたことを言えばよかった」などと悩んでしまうんですよね。
そのため、漠然とした質問をされた際や、すぐに答えられないときのために、「とっておきの思考法」を準備しておきましょう。
「この一言」でテンパらない
大事なのは、「落ち着いて対応したい」ということを誠実に伝えることです。
なので、回答に困ったときは、「すみません、すぐには答えられませんが……」と前置きして、情報を整理し、落ち着いてから話すようにしましょう。
「そうですね〜」と、回答する前に少し大げさなリアクションを見せることで、緊張を解きほぐし、頭をクリアしてください。
きっと思考が整理されるはずです。
「いったん情報を整理させてください」と素直に伝えることも有効です。
それにより、自分の頭の中の考えを話しながら、ゆっくりと整理して、相手に伝えていく方法です。
以上のように、様々なアプローチを試し、練習することで、大雑把な質問に対する苦手意識や恐怖感を減少させることができます。
最初のうちはうまくいかないこともあるかもしれません。
しかし、徐々に自分の会話スタイルを確立することで、会話のテンポがよくなり、緊張が減少し、頭が真っ白になることも少なくなるでしょう。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10〜20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。