「言いたいことがあるのに、言葉がパッと出てこない」「話してるうちに、何が言いたいか見失う」
言語化に関するあらゆる悩みを、著書累計180万部を超える言語化のプロが一気に解決する1冊、『すごい言語化 「伝わる言葉」が一瞬でみつかる方法』(木暮太一著)が発売された。本記事では同書をもとにその方法の一部を紹介する。
「自分の視点を入れた意見」を言葉にするには
最近、AI頭脳を搭載したアプリが流行っています。ぼくも使ってみましたが、人間と会話しているようなやり取りができてびっくりしました。
ここで、上司や同僚から「AI頭脳アプリ、使ってみた? どう思う?」と聞かれたとしましょう。
「便利だと思いました」「AIの進化にびっくりしました」ではかなり普通ですね。自分が何も興味ないならこれでも構いません。でも、何かしら自分でも感じたのなら、その感じたポイントも入れて表現したいです。
このとき、自分の感覚を認識するためには、「自分の気持ちが揺れた部分に目を向けること」が重要です。
「映画の感想」をうまく伝えられますか?
自分の気持ちが揺れた部分に目を向ければ、自分の視点を入れた発言ができます。
たとえば、最近観た映画について、友達に話してみましょう。「知る人ぞ知る映画」でも構いませんし、誰もが知っている話題の映画でも構いません。とにかく自分が観た映画について友達に話します。どんな言葉が出てくるでしょうか?
迫力があった
感動した
よかった
もっといろいろな場面を見たはずなのに、このような一言感想しか出てこないという方が多いのではないでしょうか? 自分が実際に見て、しかも「おもしろい」と思っているのに、なかなか言葉が出てきません。
なぜか? それはまず、焦点を絞れない問いかけだからです。「どう思った?」では、何を答えていいのかわからず、自分の感情のどこに目を向ければいいのかもわかりません。だから答えようがないんです。
「自分の感情が揺れた部分」だけ表現すればいい
ぼくは小学校、中学校で課された読書感想文が大の苦手でした。何時間も、ときには何日も原稿用紙を前に座っているのに、全然書けません。本はちゃんと読みましたし、中身も覚えています。でも何を書いていいかわからなくて、一人で何日も白紙の原稿用紙とにらめっこしていました。
そして数日後、やっとの思いで原稿用紙1枚を書き上げるのですが、出来上がった感想文は、ほぼ「あらすじ」でした。これでは、感想になりませんし、自分の言葉でもありません。
なぜそうなってしまうかといえば、一番の原因は「全体を表現しようとしているから」です。本の内容全体、映画の内容のすべてを語ろうとすると、ありきたりの「おもしろかった」という一言か、ストーリーを順になぞるかしかできなくなります。
自分の言葉を作るには、自分の感情が揺れたところだけを表現すればいい。むしろそこだけに絞ることで、自分らしいコメントになります。