2024年1月からついに開始された「新NISA」。この機会をきっかけに投資をはじめてみようと考えている人も多いのではないだろうか。そんな新NISAは、実は初心者が投資をはじめるのに最適な制度と言える。だが、落とし穴がないわけではない。目先の利益に執着してしまったり、経済の動向を見て焦って投資をやめてしまったりする人も少なくない。
そんな課題を解決するために発刊されたのが『新しいNISA投資の思考法』だ。本書はこれまで37万人の資産運用を見続けてきたウェルスナビ・CEOの柴山和久氏が投資に必要な考え方を1冊にまとめたまさに決定版だ。本記事では本文の一部を抜粋してお届けする。

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米国株だけに投資してもよい?

 近年、つみたてNISAでは米国株を対象とした投資信託が人気を集めていたこともあり、ウェルスナビのセミナーでも「米国株だけに投資すればいいのではないか」という意見をいただくことが増えました。

 しかし、実際にはさまざまな資産に分散して投資することが重要です。その理由は、特定の資産が長期で高いリターンを得られるとは限らないからです。

 ウェルスナビが組み入れているさまざまな資産を対象に、2011~2021年の間のリターンを見てみます。すると、米国株が1位になっている年が3回あり、相対的にリターンのよかった年が多かったことがわかりました。

米国株2000年代

 このため、米国株だけに投資をしていれば、高いリターンを期待できると思われる方も多いと思います。特に、つみたてNISAが始まった2018年の翌年以降は、20%を超える高いリターンを記録していました。