米国は長年にわたって中国製太陽光パネルの輸入障壁をどんどん高くし、これが国内の供給業者を保護する最善の策だと主張してきた。現在、中国の太陽光パネル大手は米国内で自社生産施設の建設を進めている。世界最大級の太陽光パネルメーカーはいずれも中国で製品の大半を製造しているが、これら企業は過去1年間に、オハイオ州やテキサス州といった米国内の各地で太陽光パネル生産施設を新設もしくは拡張する計画にひそかに着手した。2022年のインフレ抑制法施行で太陽光パネル生産に対する手厚い補助金が導入されたことを受け、米国ではパネル工場建設ラッシュが起きている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析によれば、インフレ抑制法成立以降に発表された新設の太陽光パネル発電能力約80ギガワットのほぼ4分の1に、中国に本拠を置く太陽光パネル企業が関わっている。その結果、これらの企業は政府補助金の恩恵も大きく受けている。WSJの試算では、これまでに発表された太陽光パネル生産施設の建設が実現した場合、これら企業が手にする補助金の合計は年間14億ドル(約2080億円)にも上るとみられる。
米の太陽光パネル国産化、恩恵は中国メーカーに
インフレ抑制法による政府補助金で米国内に工場を新増設
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