個人はだれもが一定の割合でミスを犯します。どんなに注意しても見落としや失念、勘違いがあり得ます。企業は本来、そんなヒューマンエラーを見越して二重三重のチェック体制を組織内に用意しなければなりません。また社員が成果を上げられるように動機付けしたり支援したりする仕組みを組織に導入しなければなりません。ミスが顕在化したり、社員の成果が上がらなかったりするのは、経営者や上司がそれらを怠っているからです。
したがって社員が仕事でミスしたり成果を上げられなかったりした場合には、社員の仕事の進め方を点検して改善点を見出すのと同時に、上司や経営者が本来の役割を果たしていたかどうかを検証し、至らなかった点を是正しなければなりません。
それをしないで、社員個人を叱責したり評価や給料を下げたりするのは、責任転嫁にほかなりません。ミスは減らないし成果は上がらないでしょう。それどころか「脅しの経営」によって社員のやる気はいっそう失われ、その結果ミスが増え、成果がますます上がらなくなってしまいます。アンケートでは、仕事でミスしたり成果を上げられなかったりした時、人事評価を下げられたり、減給されたりした経験があるかも質問しました。
「あなた自身、人事評価を下げられたことはありますか?」の質問に対しては、「ある」が20人で22.22%、「ない」が70人で、77.78%でした。「あなた自身、減給されたことがありますか?」の質問に対しては、「ある」が12人で13.33%、ないが78人で86.67%でした。