「疲れているときほど、味の濃いものが食べたくなる」
そんな経験をしたことがある人は少なくないのではないでしょうか。それほど疲れているときは夜遅くまで働いていた場合が多く、深夜にがっつり食べるのは控えたいところです。そんな「少なくてもいいから、元気が出るようなパンチのあるものが食べたい!」という気持ちに応えてくれるレシピが載っている本があります。自炊料理家の山口祐加さんの『軽めし』です。本記事では、本書の内容をもとに、軽いけれどガツンとしたレシピをご紹介します。

【疲れ切った夜に食べたい!】「軽い」けど「ガッツリ」を両立する、体にやさしい最強レシピ・ベスト1Photo: Adobe Stock

「濃い味」の罪悪感

 疲れていれば疲れているほど、なぜか味の濃いものが食べたくなる経験をしたことはありませんか?

 私は会社員時代、仕事で帰りが遅くなったとき、よく夜中に味の濃いものをコンビニで買って帰っていました。
 それは決まってストレスが溜まっているとき。「上司に理不尽なことを言われた」とか、「後輩のミスのフォローにあたふたした」とか、「クライアントがわがままを言ってきた」とか。
 そんなストレスフルな気持ちを抱えたまま立ち寄るコンビニは、危険地帯とも言えるものでした。

 がっつりしたパスタや濃いソース味の焼きそばを、「太ってしまう」という罪悪感と共に買って帰り、一緒に買ったビールや酎ハイとともに流し込む。「体にいい訳がない」という生活を送っていた自覚はありますが、これはきっと私だけではない……ですよね?

パンチはあるけど軽く食べられる「サバ缶丼」

「少なくてもいい。でも、1日の終わりにちょっと元気が出る、パンチのあるものを簡単に作りたい!」

 そんな人にぴったりなレシピが「軽めし」です。

 中でも、「これなら遅い時間でもパパッと作れて、かつ罪悪感も少なそう」と思うのが「サバ缶丼」
 サバのみそ煮缶を使うので、味付けもチューブのしょうがを入れるだけでOK。
 みその濃厚な味わいで満足感を得つつも、体に良いサバを使っているのもうれしいポイントです。

【疲れ切った夜に食べたい!】「軽い」けど「ガッツリ」を両立する、体にやさしい最強レシピ・ベスト1サバ缶丼(撮影:鈴木泰介)
【材料】(1人前)
ピーマン …… 1個(25g)
サバみそ煮缶 …… 1/2缶(70g)
ご飯 …… 茶碗に軽く1杯分(100g)
調味料
 しょうがチューブ …… 10cm
炒め用油
 サラダ油 …… 小さじ1
【作り方】
1 フライパンに油と、手でひと口大にちぎったピーマンを入れ、中火で2分炒める。
2 一旦火を止め、汁を切ったサバ缶を入れてほぐし、しょうがチューブを加えてフタをし、中火で30秒~1分蒸し焼きにする。途中、フタを押さえたままフライパン全体を揺らして混ぜる。
3 器にご飯を盛り、2をのせる。

 ちぎったピーマンを炒めて、サバ缶を加えてチューブの生姜を入れるだけ。
 普段料理をしない方でも簡単に作れる、3ステップレシピです。

自分のために「体にやさしいご飯」を作ろう

 一方で、「そんな疲れたときにまで、ご飯なんて作りたくない!」と思う気持ちもよくわかります。

 もちろん、コンビニ飯や外食が悪いわけではありません。昨今はカロリーや栄養バランスに配慮したものも増えています。
 だから、「どうせコンビニで買うならそういうものを選べばいい」と頭ではわかっていたのですが、私は疲れてついがっつりしたものを買ってしまっていました。

 そのため、仕事のストレスに加えて「またコンビニで味の濃いものを買ってしまった……」という罪悪感まで抱えてしまい、自己肯定感がダダ下がりでした。

 そんなふうに、自分に対してがっかりしないためにも、1日の終わりに自分のために体にやさしいご飯を作る
 それが、きっと自分を癒やすことにもつながるのではないかと思うのです。

 忙しくて時間がなくても、料理が得意ではなくても、カロリーが気になっていても、パパッと作れる「軽めし」のレシピはたくさんあります。

 今よりも、少しだけ自分を大切にしてあげたい。そう思ったら、一度「軽めし」を作ってみてください。