ビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

「すごいことがあったよ」「こんな意外な話、知ってる?」意気込んで話したのに、相手がイマイチ興味を持ってくれない……そんな経験はありませんか?『「よい説明」には型がある。』の著者、犬塚壮志氏によれば、それは“相手が話の価値を理解していない”から。そういう場合は「対比の型」を使えば、相手を話に引き込み、話の内容をより深く理解してもらえるといいます。対比の型を使った説明とは、どんなものなのでしょうか?型を使いこなす三つのパターンと、まねするだけで使える、即効フレーズを合わせて紹介します。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

“自慢話をしたつもりが、相手が感心してくれない”事態はなぜ起きる?

自分「会社で今月、不動産3件、売ったぜ!」
友人「それって、すごいの?」
自分「すごいよ!」
友人「そうなんだ……」

 この会話のように、不動産会社に勤める自分が、今月の素晴らしい実績を友人に伝えようとしても、友人がその業界や職務に精通していないと、そのすごさはなかなか伝わりません。これは、比べていないことが最大の原因です。人は、比べないと理解できない生き物なのです。

 今回は、このような説明不足をクリアするために、「対比の型」というテクニックを紹介します。

 対比とは、互いの違いを明らかにするために比べることです。上の会話と見比べてみてください。

自分「1件売れたら上出来の中、会社で今月、不動産3件、売ったぜ!」
友人「すごいじゃん!」

 このように、会話の中で自分の実績と他を対比させることで、自分の業績のすごさをアピールすることができます。これが「対比の型」の基本型です。次のページからは、さらに上手に言いたいことを伝え、相手を会話に引き込むことができるコツをお教えします。