年収が上がらない、モチベーションが上がらない──そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は本書の一部を抜粋・編集しながら人生大逆転の法則を見ていこう。
面白いことが次々起こる
「全社員ヒアリング」制度とは?
どうせなら「何か変えることに時間を使おう」という考えから誕生したのが、「全社員ヒアリング制度」だった。
僕を含む8人の役員が、管轄している全事業の内勤社員を対象に1 on 1を行う。
一人15分くらいで「事業はどうしたらよくなるか」「どうしたら成長できるか」を互いにディスカッションする。
この15分は好きなことを言っていいが、愚痴を言う場にならないよう「会社や個人にとってよくなること」だけを提案してもらう。
役員が提案を聞いたら必ず回答するのがルールだ。
実行できそうならすぐやり、できないときは理由を言う。
「いい提案だと思うけど、実施した場合、別の面でマイナスが大きいからやめよう」
「人が足りないから、いいアイデアだけどすぐにはできない」
全社員ヒアリング制度がきっかけで改善されたことは多い。
生産性が爆上がりした理由
たとえば、コンサルティング事業(ルヴィアコンサルティング)の勤務時間は朝9時から夜6時までだったが、全社員ヒアリングの結果、裁量労働制に移行した。
「時間ではなく成果で評価してほしい」
という多くの声を反映したものだが、実施してみると生産性が爆上がりした。
コンサルティング事業部は粒ぞろいの内勤社員からさらに選りすぐりの人が集結している。
勤務時間より成果で評価されたいプロフェッショナル集団だ。
この制度変更によって「とにかく成果を出すぞ」という雰囲気に変わった。
デザイン戦略部
誕生秘話
なかには「デザイナーを一元化してはどうか」という提案もあった。
それまでは事業部ごとにデザイナーがいた。
それだと忙しいときと暇なときの差が大きい。
デザイナー同士も仲がよく、暗黙の了解で忙しい人を手伝っていた。
そこで各事業部にいたデザイナーを一つの部署にまとめた。
実行された提案はすぐに共有する。
たとえば、
「◯◯さんからデザインの仕事は統合したほうがいいという提案がありました。◯◯さんありがとう。ついに“デザイン戦略部”が誕生しました」
といった形だ。
僕は「意見を言ってもらうことで会社がよくなった」というメッセージを積極的に発信するようにしている。
事業部に関する提案は事業部ごとで改善材料にするが、会社全体やいくつかの事業部にまたがる提案は役員会で話し合う。
本書で触れたコンサルティング事業の裁量労働制やデザイン戦略部の誕生は役員会で話し合った。
「なんでコンサル事業だけ好きな時間にきていいの?」
と言う社員が出かねないので、裁量労働制に変える際は、明確な理由についてじっくり社員たちに語り、理解を得るようにした。
(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)