年収が上がらない、モチベーションが上がらない ── そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は本書の一部を抜粋・編集しながら人生大逆転の法則を見ていこう。

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なぜ、年一回、
社員総会を行うのか

 僕らは年一回、決算後の7月上旬に社員総会を行っている。

 そこでは昨期の業績、今期の業績見込を共有する。

 社員にとっては全事業の業績や目指す方向性を知る機会になっている。

 会場はグランフロント大阪。
 350人ほどの内勤社員が全国から集まり、外勤社員もオンラインで見守る。

 アカデミー賞のようにショウアップされた雰囲気を演出し、役員が司会者として進行する。

 11事業ある中で、業績上位の3事業には特別なプレゼンの場が与えられる。

 事業責任者が活気あふれる入場曲とともに登壇すると、仲間から大歓声が上がる。

 晴れ舞台のために、事業責任者はプレゼンをつくり込む。

 あるとき、人材事業(エヴァンド)の石田は映画作品のようなプレゼンをつくり上げた。

 ミスターチルドレンの曲のイントロに乗せ、冒頭に幹部数名の名を出し、人材事業の歩みを語った。

7拠点すべて黒字

 札幌から仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡まで7拠点すべてが黒字という実績を示しながら、各支店長を称えた。

 最後にエヴァンドだけで2000人以上いる社員の笑顔の写真を出し、

「ありがとう。
これからのエヴァンドをつくっていくのは君たちだ。
もっと成長していこう!」

 と熱いメッセージで締めた。

泣いている社員が数十人

 石田のプレゼンを見て、泣いている社員が数十人いた。

 プレゼンのとき、事業責任者は社員への感謝、モチベーションアップを意識している。

 社員総会のテーマはそこにある。

 同時に社員総会では、業績3位には届かなかったが、ランキングが急上昇した事業を1~2つ選ぶ。

 これが2019年度から加わった「ピックアップ事業」だ。

 上位の事業が安定してきたので、その年に特に業績を上げた事業を紹介することにした。

 すると、ランキング中位~下位の事業を担当している社員の意欲が高まった

自動的に
みんなが盛り上がるしくみ

 上位3事業とピックアップ事業の発表後、ベスト社員10人を発表する。

 11事業から20~30人の候補者を挙げ、役員会で選ばれた10人が登壇する。

 この瞬間が一番盛り上がる。

 選考ポイントは会社への貢献度が第一。
 定量的かつ定性的な面を総合的に評価し、貢献度が高かった人を厳正に選ぶ。

 圧倒的な業績を上げた人が選ばれるときもあれば、事業規模の拡大、劇的な生産性アップなどに貢献した人が選ばれることもある。

 また、社内のデザイナーが短期間でクオリティの高いデザインを量産して選ばれたケースもあった。

 10人が登壇すると、大きな拍手と歓声が上がる。

「お! うちの事業部からベスト社員が2人出た」
 と喜んだり、
「誰も選ばれなかった」
 と悔しがったりと様々だ。

壇上でMVP受賞者がスピーチ

 さらに10人の中から優秀社員2人とMVP一人を選出。
 ベスト10に選ばれるだけでも誉れ高いが、優秀社員、MVPはその上を行く。

 優秀社員2人とMVP受賞者は壇上でスピーチする。
 時間は3~5分程度だが、みんなが身を乗り出し、聞き入る。

 内容は業績アップや成長プロセスを語る前向きなものが多く、さらなる目標へのコミットを宣言する人もいて、周囲は感化される。

 社員総会は、年一回、北海道から福岡まで7拠点の内勤社員全員が顔を合わせる貴重な場なのでみんな楽しみにしている。

 ここで刺激を受けた社員はいつか自分も登壇してスピーチしたいと思うようになる。

 役員や事業責任者が増えるときは、あえて社員総会で発表するようにしている。

 同時に、新卒で内勤社員になるハイクラス人材やヘッドハントしたい人など、これから仲間になってほしい人たちにも参加してもらい、会社のカルチャーを感じてもらうようにしている。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)