「人権意識が強くなりすぎると、番組がつまらなく…」フジテレビ番組審議会が物議を醸した“ズレ感”の本質フジテレビの番組審議会で出た意見が、思わず物議を醸して…… Photo:PIXTA

「発言者の名前を記してほしい」「緊張感が感じられない」そんな内容の批判が相次いだのは、フジテレビが公表した番組審議会の議事録だ。有名コメンテーターらが名を連ねる番組審議委員の意見が物議を呼んでいる。これを機に、テレビ報道の在り方を考えてみよう。(フリーライター 鎌田和歌)

ホテルオークラで開かれる
フジテレビの番組審議会とは

「人権意識が強くなりすぎると良い表現ができなくなり、テレビ局の挑戦も締め付けられ、番組がつまらなくなり、世の中から見捨てられてしまうのではないか」――。

 フジテレビがネット上に掲載した、番組審議会議事録概要が物議を醸している。批判的に捉える声が多く、審議委員の人選が間違っているのではないかという声も多い。

 まず概要から整理しよう。

 これは2024年1月10日に東京都港区のホテルオークラで開かれた「第533回 番組審議会議事録概要」で、外部の弁護士と研究者がそれぞれ委員長、副委員長を務める。そのほかの委員は、コメンテーターや脚本家、元大相撲力士のタレントなどである。

 また、フジテレビからは遠藤龍之介副会長、港浩一社長や幹部、コンプライアンス担当者など13名が参加していたようだ。

【参考】第533回 番組審議会議事録概要
https://www.fujitv.co.jp/company/action/shingikai/shingikai_533.html