仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は特別に、その中から「店選びで失敗しないコツ」について紹介しよう――。
苦手なものは必ずヒアリングする
お店選びをするときに、「参加者全員のアレルギー・苦手なもの」は絶対に逃してはならない情報だ。
幹事初心者は意外と見落としがちなので気をつけるようにしたい。「ゲストの食べたい食のジャンル・食の好み」だけ把握すればいいと思い聞き忘れるパターンが非常に多いのだ。特にアレルギーに関しては会食が一瞬で台なしになり得るノックアウトファクターである。特に卵・そば・甲殻類系はアレルギーを持つ方が多い上に会食で頻繁に提供される食材のため気をつけたい。
ゲスト側のキーパーソンの食の好み・食べたいジャンルがわかっていると心強いが、そうは言っても「参加者全員のアレルギー・苦手なものを避けること」のほうが優先順位が高い。たとえゲスト参加者の好みであってもホスト側が食べられなくては店に対して失礼である。食べられない人に気を使わせてしまう可能性もあるため、全員が楽しい時間を過ごせる場とすることを忘れないでおきたい。
「苦手だけどわざわざ言わない」“隠れ苦手”にも気づかいを
さらに、苦手なものの情報収集において留意したいことがある。それは、ヒアリングでは聞き出せない「隠れ苦手料理」の存在だ。
「隠れ苦手料理」とは、「好き好んで食べないが、わざわざ他者に伝えるほどでもない」料理のことである。
「隠れ苦手」としてよくある食材が次のものだ。
ホルモン
レバー
牡蠣
パクチー
ナンプラー
このような食材が使われるジャンルの料理店については、参加者全員が好きであると明言していない限りは会食・食事会の場に選択するのは避けることをお勧めしたい。
日本人の持つ一般的な倫理観として「料理は好き嫌いしないべきだ」がある。多少苦手であっても細かくすべて伝えることをしないビジネスパーソンは世に多数いる。「隠れ苦手」に遭遇したゲストは「残さず、美味しく食べるべき」と我慢して食べてくれるかもしれない。これは果たして、「ゲストファースト」と言えるのだろうか?
ただ、参加者全員に、「ナンプラーは大丈夫ですか?」「パクチーは苦手ではないですか?」と聞きまわるのもスマートとは言えない。社内飲みや気心の知れた仲間とのカジュアルな会食であればそこまで考慮する必要はないが、上位役職者が参加するなどの改まった場では別のジャンルを選んだほうが無難である。
(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)