30代で東証プライム上場企業の執行役員CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)となった石戸亮氏が、初の著書『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)で、デジタル人材の理想的なキャリアについて述べています。
デジタル人材は、ビジネスの現場でどのように求められているのか。
本当に需要のあるデジタル人材として成長するためには、どんなスキルを身につければいいのか。
デジタル人材を喉から手が出るほど欲している企業に迎え入れられ、そこで重用されるには、どんな行動を取ればいいのか。
本連載では、デジタル人材として成長するためのTo Doを紹介していきます。
PCとやる気があればそれでいい
必要なのはPCとやる気だけです。DXとかデジタルツールの導入と聞くと、どうしても「そこは専門的な知識のある人にしか判断できないブラックボックス」のように捉えてしまう方もいます。でも「システム」や「IT」がなんとなく難しく聞こえるからそう思ってしまうだけ。
弁護士になるためには六法全書を覚えなければなりませんし、医者になるためには医学部に6年も在籍して、さらに研修医として経験を積まなければなりません。
それに比べれば、デジタルツール導入の判断なんて、ものによりますが、自ら手触り感覚や目利き力を磨き、集中して取り組めば、ITの素人でもできます。これも立派なデジタルスキルです(と言い切れるほど、やっていない人が多いということです)。
こんな程度のことですら「難しい」と思い込んでいる人が多いのは、「DX」とか「デジタル人材」という言葉に洗脳されている日本人の傾向かもしれません。世の中を少し俯瞰して、冷静に見るようにしましょう。
私の友人の藤原彰二さんは、LINE PayのCMOや出前館の取締役COOを歴任し、現在はディップ株式会社の執行役員を務めるDXのやり手です。実は私のグーグル在籍時のお客様の中で、最もグーグル製品に詳しい方でした。当時はグーグル製品を学ぶところはなかったため、専門的に学んだわけではありません。最初に就職した会社でたまたまネット広告の運用を担当することになり、ヤフーやグーグルのヘルプセンターに掲載されているネット広告運用マニュアルを800ページくらいプリントアウトして、独学で学んでいったそうです。
DXに資格は必要ないのです。要はPCとやる気さえあれば、誰だってできるのです。為せば成ります。
※本稿は『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。