米国のドライバーは長年、北の隣国を犠牲にすることで贈り物を得てきた。人工的に安くなっていた原油だ。大規模なパイプラインの拡張によって、カナダ産原油を世界の市場に輸出しやすくなれば、そうした状況は一変する可能性がある。長年にわたる供給過多の主な受益者は、両国の価格差の大半を懐に入れてきた米石油精製業者だが、彼らにはどのような影響があるのか。  米国は日量約400万バレルのカナダ産原油を輸入しており、これは国全体の精製能力の5分の1以上に相当する。