仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな”貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、”広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は特別に、その中から他の会とは比にならないほどの「送別会の重要性」について紹介しよう――。
「すべての方の『節目』に全力を尽くせ」
筆者は、送別会は特に重要だと考えている。
私のかつての上司、久保田さんの教えに、以下がある。
「礼節とは、すべての方の『節目』に全力を尽くすことだ」
「たとえ関わることがない部署に行く人でも、必ず送別会を開け。そして、この部署でお前と仕事をして『最高だった』と思ってもらえるように工夫をしろ。考え抜け」
「何かが返ってこなくてもいい。その人の一生の思い出に残る仕事をするのが広告人の使命だ。人生を懸けて見送ってあげろ」
人生の貴重な時間を費やす仕事において、一番覚えている瞬間は節目である送別会だ。
特に送別会には、全力を尽くして取り組んでほしい。たとえ送別相手の部署や会社が自分の仕事にかかわりのないところに変わるとしても、今まで共に過ごした時間が一生の思い出に残るように。
考え抜いた送別会は、固い信頼関係と絆を育む
送別会の目的は「送られる方に、この部署で過ごした時間を一生の宝物と思ってもらう」ことである。送別、それは、社会人としての門出であり、新たな一歩のスタートだ。
もしかすると人によっては、いい思い出だという整理がついていないかもしれない。辛いことや苦しいことが続いたり、運に恵まれなかったり、様々な事情がある。
しかし、それでもだ。それでも、「すべての『節目』には全力を尽くす」。とにかくこれだけを考えるのが重要なのだ。
その目的達成の重心は間違いなく、記憶に残るメッセージだ。そのメッセージは誰から、どんな内容をもらうと嬉しいだろうか。送別される方が、心置きなく次の部署や会社で活躍するために、自分はいったい何ができるのか。ぜひ逆算して行動に移してほしい。
考え抜いた送別会は、固い信頼関係と絆を育む。自分に関わるすべての方の「節目」に全力を尽くし、あなたの「想像力」をフル活用して、相手の人生を彩る思い出をプレゼントしよう。
(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)