ダイキン、日立、三菱電機、三菱重工…3Q決算で前期の「通期受注額に到達」した会社とは?Photo:Diamond

2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、円安や物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はダイキン工業や日立製作所などの「産業用装置・システム/業務用機器」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

4社中3社が増収
日立のみ2桁減収のワケ

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の産業用装置・システム/業務用機器業界4社。対象期間は2023年8~12月期の四半期(4社の対象期間はいずれも23年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ダイキン工業
 増収率:7.5%(四半期の売上高1兆385億円)
・日立製作所
 増収率:マイナス16.1%(四半期の売上収益2兆2581億円)
・三菱電機
 増収率:1.5%(四半期の売上高1兆2439億円)
・三菱重工業
 増収率:12.1%(四半期の売上収益1兆1914億円)

 三菱重工業は12.1%増と2桁増収だった。一方、主要4社の中で日立製作所のみが減収、しかもマイナス16.1%という大幅な減収だった。しかし日立製作所の実態は、悲観するような状況ではない。その裏にある特殊事情について解説しよう。

 また、この4社の中に、第3四半期の時点で前期の受注高と同水準まで到達してしまった会社がある。それはどこか?

 次ページ以降では、各社の増収率の推移と利益面を紹介するとともに詳しく解説する。