日本を代表する株価指数「日経平均株価」が史上最高値を更新、アメリカを代表する株価指数「S&P500」も同様の動きと、株式市場が盛り上がっています。新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、浮き足立っている個人投資家も少なくないと思います。一方で株高でも、肌で感じる経済は良好とは思えないと“違和感”を感じる方も少なくないと思います。今回は、その“違和感”の正体と、今後の経済・株式市場の展望について考察していきます!
と、紹介が遅れましたが、私はエコノミストの崔真淑(さい・ますみ)といいます。研究者として論文執筆や政策提言のほか、テレビやラジオでの経済解説、乳幼児のオカン業の三足の草鞋を履いています。こうした活動を通して、この連載では私の専門であるコーポレート・ファイナンスの研究に基づく話や、働く母目線から見たリアルな女性アルアルの話もしながら、皆様の生活や資産運用に少しでもプラスになるような話をしていく予定です。
実は、日経平均は玄人の投資家から「ユニクロ平均」「半導体平均」と揶揄されることがあります。日経平均は、日本の全上場企業約4000社から、日本経済新聞社が定めたルールに基づき、日本を代表する上場企業225社で構成されています。ただし、この株価指数はその特性上、どうしても特定の企業に左右されやすいという課題を持ちます。日本の株式市場全体では沈んでいる株価が多くても、世界中でユニクロを運営するファーストリテイリング社の株価が上がれば日経平均が上昇するなんてこともあり、まさに日経平均がユニクロ平均な日もあります。