今回のテーマは、「食品パッケージについている原材料表示のチェックの仕方について」です。
本連載は――「贅沢やムダを省いて超効率化して得る、時間・エネルギー・資金を人生の夢に投資して、可能性を最大化する」ための戦略書――『超ミニマル・ライフ』(四角大輔著)より、思考法と技法をご紹介します。著者の四角大輔氏は、レコード会社時代に10回のミリオンヒットを記録後、ニュージーランドに移住し、「組織・場所・時間・お金」に縛られない人生を設計してきた異色のベストセラー作家です。今回は、諸説が飛び交い誰もが混乱している「食事学」について、最小限の労力で誰もが実践できる、明解なメソッドを公開します。
監修:三輪桜子/医師/神宮前統合医療クリニック院長
レムケなつこ/オーガニックビジネス研究所(IOB)代表取締役社長、オーガニック専門家

病気になりたくなかったら絶対やったほうがいい「たった1つの習慣」Photo: Adobe Stock

こうして僕は「健康オタク」になった

 母親の方針で幼少期から──高糖質で合成添加物まみれの「炭酸飲料」や「清涼飲料水」などをほとんど飲まず、「栄養ドリンク」の類(たぐい)は匂いだけで気分が悪くなる。

 タバコは吸ったことがなく、40代までお酒がダメ。つまり、いわゆる「(健康リスクのある)嗜好品」をほとんど摂ってこなかった──これが「健康オタク」と呼ばれた所以(ゆえん)だ。

 50代となった現在、摂取している嗜好品は、朝のコーヒー2~3杯と、会食で飲む少量のワインのみ。これらは「少量でも体に悪い vs 少量ならば体にいい」といまだ科学的な決着が着いていないが、飲みすぎが健康を著しく害することは言うまでもない。

食材のパッケージ裏の「原材料表示」をチェックする習慣をつけよう

「有害物質」と「健康リスクのある食材」の約7割を40年近く避け続け、約9割を摂取しないようになって15年近く経つ。

 そのおかげで、我が「オーガニックデバイス」は引き続きいいパフォーマンスを発揮してくれている。直近の人間ドックでの精密検査でも「全項目、一切の問題なし」という結果が出た。

 そんな筆者にはある習慣がある。食材のパッケージ裏の「原材料表示」をチェックすることである。

安易に体に入れないブロック術

 これぞ誰にでもすぐに実践できて、大きなリターンをもたらす──この連載でも紹介した「飲食学の基本3ルール」の──②安易に体に入れないブロック術である。

 原材料表記は使用量が多いもの順に並んでいる。そして、「/(スラッシュ)」の後に書かれているものが添加物だ。「/」がなく、それ以降に記載がなければ無添加ということになる。

 表側に「無添加」「○不使用」などの表記があっても、裏側に合成添加物が列挙されていることが多々あるので注意。さらに2024年4月から、横行する「無添加」「不使用」などの不正表記を正すために表現が規制されることになった──とにかく裏を見るしかないのだ。

『生活クラブ』の「要注意食品添加物リスト12」

 添加物は種類が多すぎて、全ては記憶できない。避けるべき添加物が見やすくまとめられている、『生活クラブ』の「要注意食品添加物リスト12」をお借りできたので掲載しておく。いつでも見られるようにしておこう。

危険な添加物を見分けるコツ

 さらに、知っておくと便利な「おおざっぱに見分けるコツ」なるものを伝授しておきたい。

 危険な添加物の名前の多くが「①刺激が強そうな漢字」「②意味不明のカタカナ」「③謎の数字やアルファベット」で構成されているのだ。

 例えば──上記のリストにないものだと──①でいうと「亜硫酸塩」「臭素酸カリウム」「ソルビン酸」など、②だと「スクラロース」「アセスルファムK」「サッカリン」など、③は「DP」「pH調整剤」「青色1号」といったものだ。

 なお、多くの加工食品に使われており、一見安全そうな響きの「調味料(アミノ酸)」というのは、工業的に抽出された「人工のうまみ成分」のこと。「健康によくない・味覚を狂わせる」というレポート、無害で安全だという食品メーカーからの声明もあり、論争が続いている(ちなみに、筆者は避けている)。

「全ての添加物は国が認めているのだから大丈夫」という考え方もあるかもしれない。だが「国の基準」なるものを盲信していいのだろうか。筆者は、国が定める全ての基準は、あくまで「現時点での国の見解」にすぎないと見ている。

病気になりたくなかったら絶対やったほうがいい「たった1つの習慣」

化学物質を「長期的に複合摂取」することによる、体へのダメージはまだ未解明

 おそらく、添加物や農薬などの自然界に存在しない化学物質を短期的に微量を摂る分には「体に備わった排出機能」によってデトックスできるだろう。ただ、これらの化学物質を「長期的に複合摂取」することによる、体へのダメージはまだ未解明だ。

 ケミカル大国・日本で選ばず無自覚に飲食していると、「長期的な複合摂取」になるリスクが高いことは理解できるだろう。

 そして現代史を見れば、国が「安全」として認可していたのに「薬害」「公害」「原発事故」「食品被害」といった、数々の人災が繰り返されている。

 こういった惨劇はどれも、人命よりも経済効率や大国との関係性を優先しすぎたために起きている。「合成農薬・化学肥料・合成添加物」を大量に使う理由もきっと同じだろう。

農薬メーカーが資金提供した研究が、残留農薬の公的基準に反映されていた

 最後に驚きの報告があることを伝えておきたい。

 農薬メーカーが資金提供した研究が、残留農薬の公的基準に反映されていたというのだ(※1)。これは一例にすぎず、こういった信じ難い不正は多く告発されている。

 科学は文明の土台とも言えるとても有用な指標だが、大企業や国家の都合で悪用されるケースが後を絶たない。

「科学は便利なツール。しかし絶対ではない」

 この原理原則を忘れずにいたいと思う。

(本記事は、『超ミニマル・ライフ』より、一部を抜粋・編集したものです)

【参考文献】
※1 Tweedale, T., Lysimachou, A,. and Muilerman, H. Missed & Dismissed - Pesticide regulators ignore the legal obligation to use independent science for deriving safe exposure levels. PAN Europe: Brussels, Belgium(2014)