アカデミー賞授賞式Photo:Dania Maxwell/GettyImages

世界の映画界が注目するビッグイベント、アカデミー賞授賞式が3月11日に開催されました。華やかな米国パーティー文化の真骨頂ともいえるアカデミー賞のレッドカーペットに登場した人々の着こなしから、メンズファッションエキスパートとして25年のキャリアを持つ筆者が、最新のパーティースーツプロトコルを解説します。(ヴェスタ・バイ・ジョンフォード ゼネラルマネージャー 北川美雪)

アカデミー賞授賞式
パーティースタイルをチェック!

 米ハリウッド映画のきらびやかさを凝縮したともいえる、米国映画界最高峰のアカデミー賞授賞式は、世界の人々が注目する舞台です。今年は日本映画も2部門で受賞、おめでとうございます!

 オスカー受賞は映画界での名誉ですから、ノミネートされる俳優や監督など関係者はもちろんのこと、プレゼンターや招待客まで、皆気合の入った服装で登場します。

 米国では、「スニーカーにTシャツ&短パン」が国民的ファッションと思われる方も多いと思います。それは正解です!

 ですが、パーティーとなると、たとえホームパーティーでも別人のようにドレスアップするのが米国流。高校の卒業時に行われる「プロム」パーティーは映画などでもおなじみですが、米国人はそこでドレスアップの楽しさや基本を肌感覚で身に付けるのだと思います。

 個人的な意見ですが、こうしたファッションのメリハリは、人生に潤いを与えると考えます。服装は意識の切り替えに役立ちますし、さらに自分を高揚させ、周囲にも影響力を及ぼす、不思議なパワーがあるのです。

 また、米国にはLGBTQやブラック・ライブズ・マターなど、人権や社会問題をファッションで自由に表現する文化もあります。

 私の専門分野であるテーラードファッション業界では、英国を中心としたヨーロッパの着こなしを参考にすることが多いのですが、米国人の自由で個性溢れるファッションには、同調圧力と権威主義の陰で自分を表現し切れない日本人が参考にしたい、大胆なスタイリングがあります。

 それでは、ファッション面から注目すべき今年のアカデミー俳優たちを見ていきましょう。